「敵愾心を抱く」とは?意味や使い方を解説

ことわざ・慣用句

「敵愾心」について

「敵愾心」「愾」の読み方が分からない人もいるかもしれませんが、「てきがいしん」と読みます。

感情を表す際に便利な言葉ですから、覚えておきましょう。

「敵愾心」の意味とは

見慣れない「愾」という文字には「いかる、いきどおる、激情がむねに満ちる」という意味があります。

そのため「敵愾心」の意味は「敵に対して怒りや怨みを抱き、これを倒そうとする闘争心」のことです。

ただ単純に怒る、怨むという気持ちだけではなく、その相手と争ったり、倒そうという感情が含まれているのが特徴と言えます。

「敵愾心」の言葉の使い方

「敵愾心」は感情、心情を表す名詞となります。

特に「敵愾心を抱く」「敵愾心を燃やす」また「敵愾心を煽る」といった使い方をするが一般的です。

ある相手に対して敵愾心を持つ事を「敵愾心を抱く」と言いますし「敵愾心を燃やす」の場合は、憤りや闘争心という感情がメラメラと燃える様に高まるという意味になります。

そして、人の敵愾心に火をつけたり、扇動するような行動を表す場合は「敵愾心を煽る」という使い方をするのです。

「敵愾心」を使った例文

「敵愾心」を使うに相応しい場面や使い方、解釈の仕方について例文を参考にしながら覚えていきましょう。

普段あまり使わない言葉だけに例文が役立つはずです。

「敵愾心」の例文1

「一方的に敵愾心を持たれて迷惑をしている」

身に覚えがないのにもかかわらず、怒りや怨みを買い何かにつけて自分と争おうとする人が周りにいないでしょうか。

このようなケースが、まさに相手から「敵愾心」を持たれている状況だと言えます。

一方的な「敵愾心」は迷惑以外の何ものでもありません。

「敵愾心」の例文2

「過熱した報道が選手同士の敵愾心を過剰に煽っている」

ライバル選手同士は、多かれ少なかれ敵愾心をお互いに抱いている事は、珍しいことではありません。

しかし、マスコミの報道は、必要以上に選手同士が敵愾心を抱くように仕向けている節があります。

例えば、あらぬ噂を流すなどは、よくあるケースです。

多少の敵愾心を持つ事は、ライバル間では仕方ないことですが、過剰な敵愾心を持つ事は良い事とは言えません。

「敵愾心」の例文3

「長きに渡る戦争が終わっても両国民の間から敵愾心が消える事はない」

「敵愾心」という感情もライバル同士の間に発生する様なものと、上記の例文のように戦争中に敵対をしていた国の民同士が持つ場合では、その深さは大きく異なるでしょう。

「敵愾心」という言葉だけでは、それがどれ位の怒りや怨み、闘争心なのかは分からないという事です。

「敵愾心」の英語と解釈

「敵愾心」の英語を調べると、“hostile feeling”“hostility”となります。

“hostile”は、形容詞で「敵の」「敵意のある」という意味であり、“feeling”「感情」ですら「敵意のある感情」という部分で敵愾心と訳せるというわけです。

また“hostility”は名詞で「敵意」「敵愾心」と訳すことが出来ます。

「敵愾心」の類語や類義表現

憤りや敵対心、こうした感情を表すことの出来る言葉は「敵愾心」以外にもあるのでしょうか。

類語や類義表現を探してみました。

「敵対心」

「敵対心」とは「相手に対抗する気持ち」「相手を敵と見なす気持ち」のことになります。

怒りや怨みという気持ちよりも、単純に相手に対する対抗心や張り合う気持ちを表す際に使用するケースが多い言葉です。

ただそこに「敵愾心」の様に「怒り」「怨み」の気持ちが一切ないとは限りません。

「敵意」

「敵意」「相手を敵として憎む気持ち」という意味があります。

そのため「敵愾心」の類語、類義表現と言っても良いでしょう。

また「敵意」には、敵と見なした相手に危害を加えようとする気持ちも隠されているものです。

そのため、「敵意」は時として相手を精神的だけでなく肉体的にも傷つける恐れがあるでしょう。