この記事では、「文様」と「柄」の違いを分かりやすく説明していきます。
「文様」とは?
「文様」とは、調度・器物・衣服などの表面に装飾された図形の事で、特に同じ図柄の反復繰り返しによって構成されるものを指す事が多い言葉です。
「文様」の読みは「もんよう」で、似た言葉の「模様(もよう)」とは読みが違います。
ちなみに、「模様」の意味は色々ありますが、「文様」の類語としての意味は、 織物・染め物・工芸品などに装飾として施す種々の絵や形、そしてものの表面にあらわれた図形を指す意味を持っています。
美術・工芸における図形の様式をさす場合に「文様」を使い、「模様」の方は、それよりも広い意味での図形を指すと一般的には区分されています。
しかし「文様」は古めかしい感じの言葉のため、近年では「模様」が同義語として使用される事も少なくありません。
「柄」とは?
「柄」には大きく分けて2つの意味があります。
まず、布・織物などの模様を指す意味があります。
もう一つは、人の体つき・体格や、本来そなわっている品位・性格を指す意味です。
さらに名詞の接尾語として『土地柄』や『人柄』や『家柄』のように品位・性質を表現する際にも使用されますし、『時節柄』や『仕事柄』のように、それに相応してと言う事を表現するのにも使われます。
この「柄」の最初の方の意味は、「文様」と似た意味を持っていますが、この違いについては次項で説明したいと思います。
「文様」と「柄」の違い
「文様」とは、調度・器物・衣服などの表面に装飾された図形の事で、特に同じ図柄の反復繰り返しによって構成されるものを指す事が多い言葉であるに対し、「柄」は布・織物などの模様を指す言葉です。
従って、「文様」は衣服や調度品や器物等に描かれた図形を指すのに使われますが、「柄」は布・織物すなわち衣服に描かれた場合にのみ使われると言う違いがあります。
また「文様」は特に同じ図柄の反復繰り返しによって構成されるものを指す事が多いと記したように、テキスチャーのような細かい模様の集合体で、古来より人々の幸せを願って継承されて来た『市松文様』や『唐草文様』などの「吉祥文様」を指す事が多いと言えます。
これに対して「柄」の方は、衣服に描かれた図形の総称と言える違いがあります。
まとめ
「文様」は衣服や調度品や器物等に描かれた図形を指すのに使われますが、「柄」は布・織物すなわち衣服に描かれた場合にのみ使われると言う違いがあります。
また「文様」は同じ図柄の反復繰り返しによって構成されるものを指す事が多く、昔から人々の幸せを願って継承されて来た「吉祥文様」がその代表と言えます。
それに対して「柄」は衣服に描かれた図形の総称として使われる点も違いがあります。
ちなみに、「模様」は「文様」よりも広い意味で使用される言葉ですが、「文様」が古めかしい言葉に感じられる事から、その代替として同義語として使用される事も少なくありません。