本拠地から離れて遠くまででかけることを指す言葉として「旅行」と「遠出」があります。
どちらも日常会話で使われることの多い馴染みのある言葉ですが具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「旅行」と「遠出」それぞれの意味と違いについて解説します。
「旅行」とは?
「旅行」とは「遊びや楽しみのために住まいを離れて別の土地に行くこと」という意味の言葉です。
「旅行」と似た言葉として「旅」があります。
現在ではほぼ同じ意味で使われていますが「旅」の本来の意味は「自宅以外の場所で寝泊まりする」というものです。
畑が動物に荒らされないよう見はり小屋に泊まりこむ、と言った行動が「旅」のもともとの意味合いです。
「旅行」はそのような自宅以外での寝泊まりを意味する「旅」に「野山で楽しむ」という意味を持つ「行楽」の要素が加わったものです。
「自宅以外での寝泊まり」という本来の意味は転じて「住まいを長期間空ける」という意味となりさらに「住まいから遠く離れる」という意味に変化します。
このように変化した「旅」と「行楽」が一つとなり「遠くまで遊びに出かける」という「旅行」の意味合いになりました。
現在では遊びや楽しみにかぎらず目的のある旅全般をさして「旅行」と表現します。
基本的にはしっかりと準備して安全が確保されたものを指しており危険を伴うもの厄難が待ち構えているものは「旅行」ではなく「旅」を使うのが一般的です。
「旅行」の使い方
・ハワイに旅行する。
・旅行の目的は現地で美味しいものを食べることだ。
・視察旅行の日程を調整する。
・友人を誘って日帰り旅行を楽しむ。
「遠出」とは?
「遠出」とは「自宅や会社など本拠地から遠く離れた場所に出かけること」という意味の言葉です。
「遠出」の指す「遠く」は主観的なものであり具体的な距離基準などはありません。
「できることなら近場でも構わないのにわざわざ遠くまで足を運ぶ」というニュアンスを含無使われ方をすることが多く、遠くに行くこと自体が目的ではなく、何らかの目的を達成するための手段として遠くに行かなければならない事を表す言葉として使われます。
離れた距離に移動することのみを指す言葉なので目的や手段、日程などは問いません。
あくまでも主観的な遠さなので他人から見ればごく近い距離であっても本人にとって遠く離れていると感じられれば「遠出」という表現が使われます。
「遠出」の使い方
・今日は少し遠出をしよう。
・お気に入りのパンを買うためにわざわざ遠出する。
・買ったばかりの自転車で初めて遠出する。
・遠出するなら飲み物を用意した方がいい。
「旅行」と「遠出」の違い
「旅行」と「遠出」の違いは目的です。
「旅行」は遊びや楽しみ、研究や視察など遠くに行く目的が重視であるとき使われる表現です。
「遠出」は遠く離れた場所に出かけることそのものを重視した言葉であり目的や内容にかかわらず長いと感じられる距離を移動することを強調しています。
まとめ
「旅行」と「遠出」は重なる部分はあるものの具体的な意味は全く異なります。
それぞれの言葉が何を意味するのかに注意し場面に合わせたふさわしい言葉を使いましょう。