「早世」と「夭逝」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「早世」と「夭逝」の違いとは?違い

若くして亡くなった故人を惜しむ表現として「早世」「夭逝」があります。

どちらも似たような場面で使われる言葉ですが具体的な意味にはどんな違いがあるのでしょうか。

今回は、「早世」「夭逝」の違いについて解説します。

「早世」とは?

「早世」とは「天寿をまっとうすること無く若くして亡くなること」という意味の言葉です。

「早世」「早く世を去る」という意味の言葉です。

本来であればもっと長生きするはずだったのに病気やケガなど不幸な理由により若くして亡くなってしまうことを指して「早世」と表します。

「早世」に具体的な年齡基準はありません。

世間一般の感覚と比べて早くに亡くなるのが「早世」です。

ある程度年令を重ねてからの死であってもまだまだなくなるには早いと感じられれば「早世」はふさわしい表現です。

例えば年令を重ねてから芸の円熟味が増すとされる歌舞伎役者や落語家などは60歳で亡くなったとしても期待された将来の活躍に比べて亡くなるのが早過ぎるという意味を込めて「早世」と言われます。


「早世」の使い方

・兄弟は皆早世し存命なのは末っ子だけである。

・親友は中学の頃に早世してしまった。

・夫が早世し妻と子だけが残される。

・創世の天才作家なので残された作品は数少ない。


「夭逝」とは?

「夭逝」とは「才能豊かな人が惜しまれつつ若くして亡くなること」を意味する言葉です。

「夭逝」には「死を惜しむ」というニュアンスが強く含まれます。

亡くなるだけでなく亡くなることで失われた才能に対する嘆きや悲しみを強く表現したいときに用いられる言葉です。

一般的には「天才」「期待の星」など将来的な活躍が期待された人が年若くしてなくなったときに使われる表現です。

「夭逝」に年齢的な基準はありませんが一般的には「若者」と表現される年代で亡くなってしまった事を表します。

時代によっても異なりますが30代前半までに使うのがふさわしい表現です。

将来への期待を込めて使われる言葉なのでど本人の才能や資質ではなく生まれや血筋などが優れた人に対しても使われます。

跡継ぎとなるこが幼くして亡くなったときなどは「夭逝」と表します。

「夭逝」の使い方

・夭逝した天才画家が残した作品がオークションに出品される。

・彼が夭折していなければ文学の歴史は大きく変わっていただろう。

・レース中の事故により夭折したレーサーの死を悼む。

・葬儀には夭逝した彼に別れを告げるために大勢の同級生が駆けつけた。

「早世」と「夭逝」の違い

「早世」「夭逝」の違いは才能とそれを惜しむ気持ちの有無です。

「早世」は年若くしてなくなること全般に使われる表現ですが「夭逝」は若くして亡くなった人の中でも特に才能に優れる人に対してのみ使われる限定的な言葉です。

一般的には「早世」よりも「夭逝」のほうが年齡が低い人に対して使われることが多く、才能が開花し十分に活躍する前に亡くなってしまったことを表します。

才能がある人が亡くなった場合でも活躍期間がそれなりにあって十分な実績を残している場合は「早世」がふさわしい表現です。

まとめ

「早世」「夭逝」はどちらも年若くしてなくなることを意味しますがニュアンスの異なる別の言葉です。

正しい意味を伝えられるよう状況に合わせてふさわしい言葉を用いましょう。

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