「時すでにお寿司」とは?意味や言葉の使い方、概要(元ネタ)など

「時すでにお寿司」とは?新語・ネット用語

ネットの掲示板で時々見かける表現に「時すでにお寿司」というものがあります。

なんとなく意味は想像できますがあらためて考えてみるとなんともユーモラスで不思議な語感のある言い方です。

今回は、「時すでにお寿司」の意味を分かりやすく解説します。

「時すでにお寿司」とは?意味

「時すでにお寿司」とは「時すでに遅し」をもじった言葉遊び、洒落文句です。


「時すでにお寿司」の概要

すでに手遅れであるという意味を持つ「時すでに遅し」は小説や映画などでは比較的よく目にする表現です。

言い回し事態はやや古いものの強い語感や断定的な口調は印象に残りやすく、緊迫した場面で使われることが多い名文句です。

「時すでにお寿司」はそんな「時すでに遅し」にユーモアを交えて言い換えた言葉です。

意味合いは「時すでに遅し」と全く同じですでに手遅れであることを指しますが、語調からもわかるようにシリアスなシーンやかたい雰囲気のときに使われる言葉ではありません。

話題に参加するのが遅れた、人気商品が売り切れたなど手遅れであっても深刻なダメージがないときに軽口として「時すでにお寿司」という言葉ば使われます。

「時すでにお寿司」という表現がいつから使われていたのかをはっきりと示す資料はありません。

「時すでに遅し」「お寿司」も昔からある言葉なので以前から一般の人達がユーモア混じりに普通に使っていたであろうことは容易に推察できますが、資料や文献として残っている例はインターネット以前には皆無です。

「時すでにお寿司」が広まったのは199年代の後半、2ちゃんねる掲示板がきっかけだとされています。

当時の2ちゃんねる界隈では独自のスラングや言い回しが流行していましたがよく使われていた言い回しのひとつに「~ですしおすし」というものがありました。

もともとはネットゲームが発祥とされるこの言葉は「~です」のスラングであり「私はそんなこと知らないですしおすし」のように使います。

「時すでにお寿司」「~ですしおすし」に影響されて言われ始めたという説が有力です。

言葉の一部を語呂合わせにするという言葉遊びは古くからあるものです。

江戸時代には「おそれ入谷の鬼子母神」「その手は桑名の焼き蛤」など「地口」と呼ばれる定番の文句がありましたが「時すでにお寿司」は現代の地口ノ一種です。


「時すでにお寿司」の言葉の使い方や使われ方

・転売屋が買い占めてから欲しくなっても時すでにお寿司。

・遅刻しておいてケーキが食べたかったと言われても時すでにお寿司。

・8時で閉店なので9時に来店しても時すでにお寿司。

・第一話の放送が昨日だったと今さら気づいても時すでにお寿司。

「時すでにお寿司」の類語や言いかえ

・負け確定
手遅れで打つ手が無い状態を負けとするならば「負け確定」と言い換えることができます。

こちらもスラングなのできちんとした場面で使うのはふさわしくありません。

・遅かりし由良之助
歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」の主人公大星由良之助が主君の切腹の場にかけつけるのが遅れたことに由来する表現で「時間に遅れてしまってもう役に立たない」という意味で使われます。

江戸時代はすでに使われていたとされるかなり古い言葉です。

まとめ

「時すでにお寿司」はネットでよく見かける言葉ですが成り立ちはそれなりに古い日本語によく見られる洒落表現です。

そうそう使う機会もありませんが軽妙なやりとりに使える言葉なのでぜひ知っておきましょう。