この記事では、「暗記力」と「記憶力」の違いを分かりやすく説明していきます。
「暗記力」とは?
文字や数字などを見ずに、すらすらと言うことができる力です。
掛け算九九のことで説明をします。
掛け算九九は小学校の2年生くらいの算数で習うものです。
2×1=2、2×2=4、2×3=6などを覚えておくと、計算が楽になります。
2×2なら2+2、2×3なら2+2+2でも求めることができますが、これでは計算に時間がかかってしまいます。
そのため、「にいちがに」「ににんがし」などを覚えさせられます。
それによって、今では数字をすらすらといえる人は多いことでしょう。
「にく」といわれて2×9=18とすぐに答えられるはずです。
このように数字をすらすらといえるのは、掛け算九九を「暗記」しているからです。
この能力のことを「暗記力」といいます。
「暗記力」の使い方
何も見ずに文字や数字などをすらすらといえる能力を指して使用する言葉です。
何かを見ながら言う場合は、この言葉は使用しません。
また、すらすらいえるようになるための方法はさまざまありますが、その方法を指しては使用しません。
「記憶力」とは?
物事を覚えている能力のことです。
この言葉が指す物事とは、主に出来事や体験したことです。
家族旅行をしたときのことで考えてみます。
家族で温泉旅行をしました。
そのときに車内で会話をしたり、観光地に行っていろいろなものを見てそれについて会話をしたりしました。
温泉には20分ほど入っていました。
父はそのときの会話内容や入浴時間などを詳細には覚えていませんが、母は会話内容や入浴時間が20分だったことなどを詳細に覚えていました。
この場合、父に比べて母は「記憶力」がよいといえます。
過去に体験したことを覚えている能力なので、この例の場合は「記憶力」といいます。
自分が体験したことだけでなく、人から聞いた事柄を覚えている能力についてもいうことができます。
「記憶力」の使い方
物事を覚えている能力のことを指して使用する言葉です。
主に過去に体験したことや出来事などを覚えている能力を指して使用します。
「暗記力」と「記憶力」の違い
「暗記力」とは、何も見ずに文字や数字などを言うことです。
何も見ずに言えるようになるためには、文字や数字などを覚えている必要があります。
「記憶力」には、物事を覚えている能力という意味があり、覚えているという点で「暗記力」と意味が似ています。
しかし、何を覚えているのかという点に違いがあります。
「暗記力」は、文字や数字などを覚えている能力です。
「記憶力」は、体験したことや出来事を覚えている能力です。
「暗記力」の例文
・『暗記力がない』
・『天才的な暗記力』
・『暗記力が低下してきたかも』
「記憶力」の例文
・『記憶力を高める』
・『記憶力に支障を与える』
・『うちの息子は記憶力がいい』
まとめ
覚えている能力といった意味合いを持つ2つの言葉ですが、何を覚えているのかという点に違いがあります。