「木で鼻を括る」とは?
「木で鼻を括る」には2つの意味があります。
1つ目は「もてなしが無愛想なこと」という意味です。
特に悪い態度ではないのですが、とにかく無愛想で「何か嫌なことでもあったのかな」とこちらが思ってしまう様子を言います。
2つ目は「態度が冷たいこと」という意味です。
相手に対して明らかに好意的ではない様子を言います。
「木で鼻を括る」の読み方
「木で鼻を括る」は「きではなをくくる」と読みます。
「括る」という漢字が難しいので平仮名表記することもあります。
「木で鼻を括る」と「木鼻答弁」の違い
「木で鼻を括る」と似た言葉に「木鼻答弁(きはなとうべん)」があります。
この2つは似ている様ですが使い分けがあります。
「木で鼻を括る」は「無愛想なこと」「態度が冷たいこと」という意味です。
怒っている様子や好意的ではない様子はあっても、最低限のマナーは守っています。
「木鼻答弁」は「相手を小ばかにして質問に対して返事をしない」という意味があります。
相手に対してマナー違反な行為をしていることを表しているのです。
「木で鼻を括る」の表現の使い方
「木で鼻を括る」の使い方を紹介します。
文法的な使い方
「木で鼻を括る」は動詞を伴う慣用句ですが、基本的にそのまま文章に使うことは少なくなります。
一般的には「木で鼻を括った様な」「木で鼻を括った様に」と、「~様」という言葉を付けて使われます。
サービスや接客に対して使う
ビジネスで「木で鼻を括る」は、サービスや接客が悪いことの態度として使われます。
スタッフの態度が「木で鼻を括った様だ」と言われた場合、それだけで悪い評価につながってしまうのです。
「木で鼻を括る」の由来
「木で鼻を括る」の由来は以下の2つがあります。
商人がケチなことに由来する説
「木で鼻を括る」は、元々は「木で鼻をこくる」と言われていました。
「こくる」とは「強くこする」という意味です。
1つ目は「昔の商人の屋敷に丁稚(でっち)奉公していた若者への態度からきている」という説です。
商人はケチな性格が多く、丁稚の若者が風邪を引いても当時ちり紙は高級品であった為に、使わせませんでした。
そこで木の棒で鼻水をこすって取ったことから、「冷淡な態度を取ること」として使われる様になったのです。
顔が無愛想になることに由来する説
2つ目は、「木に鼻水をこすりつける時に顔がこわばっていたことから来ている」という説です。
鼻水が出た時に木に鼻をこすりつけると、痛くて顔が無表情になってしまいました。
そこから「無愛想な表情や態度」という意味で使われる様になったのです。
「木で鼻を括る」を使った例文と意味を解釈
「木で鼻を括る」を使った例文と解釈を紹介します。
「木で鼻を括る」を使った例文1
「あの会社の受付嬢はいつも木で鼻を括った様な態度を取る」
毎回訪問している会社の受付担当の女性が、非常に無愛想で不機嫌に見えることを表しています。
「木で鼻を括る」を使った例文2
「深夜に友人の家を訪ねて行ったら奥さんに木で鼻を括った様な態度をされてしまった」
飲んで夜遅くに友人の家を訪ねたら、奥さんに冷たくされたことを表しています。
「木で鼻を括る」の類語や類義語
木で鼻を括るの類語や類義語について紹介します。
「冷や飯を食う」【ひやめしをくう】
「冷遇されること」「居候をすること」という意味で、「冷えたご飯はまずいこと」から来ています。
「鼻であしらう」【はなであしらう】
「相手に対して邪険に扱うこと」という意味で、「馬鹿にして鼻で『フン』と答えること」から来ています。