「末筆ながら」
この「末筆ながら」は、「まっぴつながら」と発音します。
意味を間違えて使われることも多い言葉なので、それについては注意が必要だと言えるでしょう。
その間違いとは、「末席ながら」と同様の言葉だと考えてしまい、そちらの意味と混同して使ってしまうことです。
「末筆ながら」の意味
末筆ながらとは、手紙や文章の最後に使う表現です。
ほとんどの場合で、相手の何かの状態や健康などについての気遣いをこの後に記述します。
例として、「末筆ながら、益々のご健勝をお祈りいたします」などと使います。
このような使い方をする言葉としては、有名な「追伸」(PS)がありますが、それとは使い方が異なるので注意が必要です。
追伸は、その後に続く文章に特に制限はありませんが、「末筆ながら」の場合には、上記のようなこと以外は記述できません。
してしまうと、全く使い方が分かっていないと思われてしまうので気を付けてください。
「末筆ながら」の類語と解釈
「末筆ながら」は、前項に挙げた「追伸」が類語として挙げられますが、「末席ながら」という見た目がよく似た言葉も存在します。
ただし、こちらはいわゆる類語もどきになるので注意が必要です。
「末席ながら」は、「低い立場や地位(それらを末席と表現します)ながら」という意味の言葉で、「恐れ多いですが」という解釈で使います。
その為、見た目こそ似ていますが、全く違う意味の言葉となっています。
「末筆ながら」は、冒頭にも書いたように、この言葉との混同に気を付けないといけません。
「末筆ながら」の言葉の使い方
末筆ながらは、「追伸」とは違い、遭えて使う言葉だと言えるでしょう。
追伸の場合、書き忘れた内容をその後に続けることができますが、「末筆ながら」の後には、ほとんど定型の文章が入ります。
その内容を本文中には入れず、遭えて最後に末筆ながらとして加えることで、文章全体としてメリハリが付きます。
特に手紙では、そう見せる為の1つのテクニックだと言ってもいいでしょう。
「末筆ながら」を使った例文・解釈
末筆ながらを使った例文です。
この言葉の使い方から、その後に使う(使える)用例となっています。
「末筆ながら」の例文1
「末筆ながら、今後の一層のご活躍をお祈りしております」
末筆ながらと共によく使われる一例です。
相手が比較的健康な場合に使うとよいフレーズです。
この「ご活躍」に特定の意味はなく、普段の生活の全てのことだと考えていいでしょう。
この形で1つ定型文だと覚えてしまっても構いません。
「末筆ながら」の例文2
「末筆ながら、今後ともご指導、ご鞭撻のほど、お願い申し上げます」
相手が自分の指導者(過去にそうだった場合も含みます)に当たる先生やそのような立場の人に対して、文章の最後に「末筆ながら」を使う場合の定型だと言える例文です。
このように最後に加えておけば、相手がどれほど自分より上の存在に当たる人物であっても、失礼になることはありません。
「末筆ながら」の例文3
「末筆ながら、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます」
ビジネス文章の締めとして、よく見かける形です。
「ご発展」の部分は「ご清栄」としてもいいでしょう。
「ご清栄」は、安定と発展という意味で、こちらの方が2つの意味をもたせることができますが、堅く難しい表現となる為、若い人が使うなら”ご発展”の方が自然です。
「末筆ながら」の例文4
「末筆ながら、ご健康とご多幸をお祈りしております」
相手が年配の人の場合や、比較的近くに健康的に厳しいと思われるようなことがあった場合に使うことが多い表現です。
近い年代の人に対しても使えるので、「末筆ながら」の後に加える一番スタンダードな例だと覚えておいていいでしょう。