「棚引く」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「棚引く」について

「棚引く」は、それほどあまり見聞きする言葉ではありません。

ですが、意味を知っておいて悪いことはないと言えるでしょう。

「棚引く」の意味とは

棚引くとは、「横に長く広がっている様子」です。

そして、空にそれがある状態に対して使う言葉になるので、使えるシチュエーションはかなり限られます。

「棚引いている」と使うことが多く、空にそのような様子があるという表現になります。

場合によっては空だけでなく、何かが長く連なっている様子に対して使うことがあり、例えば、「仲間を棚引かせて向かった」(何人も引き連れて向かった)などという使い方がそれですが、あまり見ることはないでしょう。

「棚引く」の言葉の使い方

棚引くは、空が対象の言葉だと書きましたが、上空という意味だけでなく、「空中にあるもの」と考えて使ってください。

例として、横に広い旗が建物の上でそのような様子の時に、「旗が棚引いている」と表現できます。

また、手で持ったリボンなどの様子にも使うことができる言葉です。

「棚引く」を使った例文

棚引くを使った例文です。

「空中で横に長い様子」に対して使う言葉なので、解釈はとても簡単です。

「棚引く」の例文1

「入道雲が棚引いてきたので、夕立ちが心配だ」

夏に空に棚引くことがある入道雲は、正確には積乱雲が大量に発生している時に使われる俗称です。

その積乱雲は主に夏季に発生し、名前の通り、雷と共に雨を降らせることが多い雲なので、夏にはこの例文のようなシチュエーションが多く見られます。

「棚引く」の例文2

「さっきまで社旗が強く棚引くような風が吹いていた」

会社に旗が強く棚引くほどの風だったと言っている例文です。

社旗にはそれほど横に長いものはないでしょうが、普通のサイズの旗程度でも、この「棚引く」と使って構いません。

横に長い様子と言っても、その長さに決まりなどがある訳ではなく、旗に対しては特によく使われる表現です。

「棚引く」の例文3

「選手の鉢巻きが棚引いている写真から、とても躍動感が感じられた」

鉢巻きの結んだ部分より後ろが棚引いている姿について語っています。

棚引くは、このような様子に対して使っても構わない言葉です。

実際には見ていなかった人でも躍動感が感じられるほど、その写真に映った鉢巻きが棚引く様子がスピード感や真剣さを表現していたのでしょう。

「棚引く」の英語と解釈

棚引くは、英語では“trail”と表記します。

その姿は“trailing”(棚引いている)と表現し、”棚引く旗”と言いたいなら“trailing flag”と使うことができます。

尚、この“trail(trailing)”は、空中だけの様子に留まらず、長く何かを引きずっているという時にも使えます。

「棚引く」も行列などにも使えると先に書きましたが、こちらは一般的な使い方ではありません。

「棚引く」の類語や類義表現

棚引くと似た意味で使える言葉や表現です。

どれも難しい言葉なので、あまり見聞きする機会はないかも知れません。

「靄然」(あいぜん)

主に雲や煙の様子に対して使われます。

「靄然たる様子の雲」などといった使われ方をする言葉で、多少古い表現だと考えていいでしょう。

また、「穏やかな気分」を表現する時にも使うことがあり、その場合には”胸中は靄然だ”という形になります。

どちらの意味で使っているかは、前後の文脈から判断してください。

「翻る」(ひるがえる)

この「翻る」は、色々な使い方ができる言葉です。

「結果が覆ること”や”態度が急変すること」という意味で使われていることが多いですが、旗が棚引く様子を「旗が翻る」と表現できるように、「棚引く」という意味でも使えます。

オペラに「我らの旗が翻るところ」という曲があることからも、このような使い方をしても問題がないと分かります。

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