私たちが普段何気なく使っている日本語ですが、それには「標準語」や「方言」などがあります。
「標準語」と「方言」は対極にあるように見えますが、その具体的な違いを見ていくことにしましょう。
この記事では、「標準語」と「方言」の違いを分かりやすく説明していきます。
「標準語」とは?
「標準語」とは、その国の標準として認められていて、公的な場面で使われる言語のことを言います。
その多くは文化や商業、または、政治の中心地や首都で使われている言語です。
日本は現在、東京の言葉が「標準語」の基となっています。
しかし、歴史を遡ると、国の中心が京都だった頃には、京都言葉が「標準語」とされていたようです。
このように、同じ国でも、長い歴史の中で、国の中心地が変わることによって、「標準語」も変化してきているのは興味深いところです。
「方言」とは?
「方言」とは、ある地方だけに使われる言語のことを言います。
また、「標準語」と違う訛りのある言葉を「方言」と呼んでいます。
さらに、その地方だけの言葉で、いくつかの地域によって区分され、それぞれの「方言」の特徴が異なっています。
そのため、その地域全体を「○○方言」、あるいは「○○弁」などと呼びます。
日本では「関西弁」が有名な「方言」です。
中には、地方で使っていた「方言」が「標準語」だと思っていて、上京してから、それが間違いだったことに気付くケースはけっこうあるようです。
「標準語」と「方言」の違い
「標準語」と「方言」の違いを、分かりやすく解説します。
「標準語」はその国の標準的な言葉として認められ、公的な場面で使用されている言語です。
一方、「方言」はある特定の地域だけで使われている言語です。
「標準語」と「方言」の他にも、「共通語」があります。
「共通語」は各地域を超えて意思の疎通を図るための共通の言語です。
しかし、「標準語」が公的な場面で使用されているのに対し、「共通語」はその区分ではありません。
世界的に見ると、英語が「共通語」とされているように、この二つはまったく違う言語として使用されています。
日本では「共通語」は東京言葉ですが、これもまた「方言」の一つです。
「標準語」は東京言葉が基になっています。
なので、日本の「標準語」と「共通語」の共通点は多いようです。
まとめ
日本列島は東西に長いので、各地域で独特の「方言」が生まれ、長く使われてきました。
中でも、東日本と西日本では、かなり言語が違います。
さらに東北や沖縄などでは、「方言」を聞いても、他の地域の人ではまったく分からない発音や言葉が多くあります。
こうした各地域の「方言」は貴重ですし、大切な無形文化遺産です。
学校で「標準語」を学び、公的な場面でもそれを使うようになると、「方言」を使わなくなってしまうかもしれません。
特に地元を離れてしまうと、ほとんど「方言」を話す機会はなくなってしまうでしょう。
普段の生活の中で、「方言」を使わない生活が定着してしまうことで、「方言」は伝承されなくなってしまいます。
「標準語」を使いながらも、各地域の味のある「方言」という大切な無形文化遺産を後世に伝えていきたいものです。