わかったつもりでいても混同しがちな言葉として「横断」と「縦断」があります。
どちらもよく聞く普通の言葉ですが具体的にはどのようなことを指しているのでしょうか。
今回は、「横断」と「縦断」の違いについて解説します。
「横断」とは?
「横断」とは、「横切ること」という意味の言葉です。
「道路や建物など基準となる物に対して横に通ること」というのが「横断」の意味合いです。
車が通るために造られた道路をまたいで人が移動する様子をさして「横断」と表現するように、大きな流れに対して乗るのではなく遮るように通ることを「横断」と表現します。
地図上では「東西方向に移動して通り抜けること」を指して「横断」と表現します。
西から東もしくは東から西に移動する動きが「横断」であり、ある一定のエリアを移動し切ることを指します。
「日本列島横断」という場合は日本列島を西から東あるいは東から西まで移動し切ることを意味しており、途中で異動をやめた場合は通常「横断」という表現は使いません。
地図上での移動はおおまかに西から東あるいは東から西に移動していればよく、多少のずれがあってもおおよそそのような動きが見られれば「横断」が使われます。
「横断」の使い方
・台風が日本列島を横断する。
・小学生が列になって道路を横断している。
・チリ横断の旅に出かける。
・湖を横断して対岸に渡る。
「縦断」とは?
「縦断」とは、「縦に移動し通り抜けること」という意味の言葉です。
「建物や地域など基準となるものに対して下から上、あるいは上から下に移動しきり通り抜けること」を指して「縦断」といいます。
地図上では「南北方向に移動して通り抜けること」を意味します。
「南から北もしくは北から南の方向に移動し一定のエリアを通り抜けるような動き」が「縦断」です。
「日本列島縦断」という場合は「南に位置する九州・沖縄地方から北に位置する北海道へ抜ける動き」を意味しています。
「縦断」の使い方
・台風が日本列島を縦断する。
・人気バンドの全国縦断ツアーが発表された。
・アメリカ大陸縦断のたびに出る。
・建物を縦断する一直線の廊下を掃除する。
「横断」と「縦断」の違い
「横断」と「縦断」の違いは「横か縦か」です。
「横断」は基準に対して横切る動きを指します。
座標軸ではx軸方向の移動に当たります。
横並びに並んだ複数の場所や物を通って抜けるような動きのことも「横断」と呼びます。
「縦断」は基準に対して縦の動きを指します。
座標軸ではy軸方向の移動に当たります。
縦方向に移動して通り抜ける動きが「縦断」であり途中で移動を取りやめたり大きく横にそれるような動きは「縦断」ではありません。
地図上では東西方向の動きを「横断」、南北方向の動きを「縦断」としています。
どちらも一定の地域を移動し切ることを表しており途中で動きを止めた場合は当てはまりません。
まとめ
「横断」と「縦断」は全く異なる動きを指す言葉です。
そもそもの意味が近しいことから混同されがちですがそれぞれ意味がまったく異なるので間違って使わないようにしっかり意味を覚えておいてください。