新しい製品を開発するときには、通常はマーケットリサーチを行なって、人々が求めているものを把握することが重要です。
そんな中で、最も意味があるのは何を基準にするかということです。
例えば、新しい家電の電力消費を考えるときには、現行の製品を調査して基準となる数値を決めます。
それが開発のターゲットの一つになる訳です。
さて、ここで使った「基準」とはどういう意味でしょうか。
同じような言葉である「水準」とはどう違うのでしょうか。
この記事では、「水準」と「基準」の違いを分かりやすく説明していきます。
「水準」とは?
「水準」とは、「水が平らであること」が元々の意味です。
そこから派生して、「でこぼこなものをならしたもの」を表すようになりました。
複数のものを比べて何かの判断をしたいときには数値がバラバラだと比較ができないので、一定の方法で代表する数値を決める必要があります。
そのときに使われるのが「水準」であり、方法としては、平均、標準偏差などがあります。
英語では「level」が近いでしょう。
「基準」とは?
「基準」とは、「何かの判断のための標準的なもの」のことです。
例えば、今自分がいる場所と離れている人がいる場所の高さを比べたいときに基準となるのが「標高」です。
これは平均的な海面の高さからどのくらい上(下)にあるかという数値です。
このような「基準」がなければ何かを比較することはできません。
さらに言えば、「基準」とは「決め事」に過ぎません。
従って異なった「基準」を使用すれば結果は当然変わってきます。
英語では、「standard」がスバリの言葉でしょう。
「水準」と「基準」の違い
「水準」と「基準」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは一般的には「何かを評価するための数値」であるという部分では似ていますが、意味するものが違います。
すなわち、「基準」が、「標準となる数値」であるのに対して、「水準」は、「代表となる数値」のことを言います。
この違いは、「このクラスのテストの点数の水準は全校の標準点を上回っています」という文で明確に表現できています。
「水準」の例文
「水準」の例文は以下のようになります。
・『日本の一般家庭の社会インフラに支払う費用の水準は自治体によって全く違います』
・『水準器を使用して、垂直方向を測定します』
「基準」の例文
「基準」の例文は以下のようになります。
・『今回のコンクールでの評価基準は前回のレベルです』
・『その人の英語力を知るための基準はTOEICの結果です』
まとめ
この記事では、「水準」と「基準」の違いを、解説してきました。
ここまでの説明で、お分かりになったように「基準」となる数値を超える「水準」を達成して初めて、その新製品に競争力がもたらされます。
この「水準」は数多くのデータを取って初めて意味がある数字になります。
製品のタイプにもよりますが、データの不足が致命的な欠陥を見過ごすことにもなるので、ここは時間をかけてじっくり集めることが必要です。