知識や知識に基づいた発言や態度というものは我々の社会生活において欠かせないものです。
しかしどんなに知識を蓄えたとしても人間は完璧というわけではなく、ある部分では知識の欠落から恥をかく場面というものには必ず直面してしまいます。
非常に屈辱的な状況にはなりますが、その場でどの様にふるまえるのかで人間としての器の大きさの違いが出て来る場面でもあります。
そんな場面で使う言葉に『浅慮』と『浅薄』というものがあります。
どちらも似た様な漢字を使っていますが、どちらがどの様な意味を持つのかご存知でしょうか。
この記事では「浅慮」と「浅薄」の違いを分かりやすく説明していきます。
「浅慮」とは
『浅慮』とは『持っている知識や態度、考えが浅はかなこと』を表します。
これはどういうことでしょうか。
知識が足りないという部分は理解できると思いますが、考え方や態度が浅はかだとどの様なことになるのでしょうか。
端的に言ってしまうととても『軽率で無分別』な態度や考えに陥ることになります。
また、考えが浅はかなので、相手に対して『配慮が不足する』ということにもなってしまいがちです。
つまり、知識不足などに起因して態度や考え方がよろしくない影響を与えてしまうことを示しているのが『浅慮』という言葉です。
使われ方は『私自身の浅慮を恥じます。』などの様に自らを戒めたりする場面などで使われるのが良く見かける場面ではないでしょうか。
「浅薄」とは
一方『浅薄』とはどいうことでしょうか。
これは『考えや知識などが浅くて行き届いていない』ことを表す言葉です。
平たく言ってしまえば『浅はか』、現代風に言ってしまうと『軽い』や『ペラペラ』という言葉に変換することが出来ます。
例えば『君の発言は軽いなぁ。』という言葉は『君の発言は浅薄だなぁ。』という意味とも捉えることができます。
つまり、発言に十分な知識や考えがなく、思いついたかの様なものの為、それを見透かして相手を詰る言葉です。
「浅慮」と「浅薄」の違い
この二つの表現の違いは『知識や考えが浅いので、行動や態度が軽率になること』か『知識や考え方そのものが薄いのか』という使い分けをすることが出来ます。
『浅慮』は非常に限定的な言葉の使われ方をしており、殆どの場合『浅慮を恥じる』という表現しかしません。
反対に『浅薄』はとてもオールマイティで様々な場面でも使われます。
例えば『浅薄な考えや知識』や『物の見方が浅薄だ』などです。
これは『浅薄』という言葉そのものが『浅はか』という意味と置き換えることが出来る為です。
『浅慮』はさらに厳密な意味を『浅薄』に+αしている為、自由な使い方があまりできません。
ここはとても面白い違いではないでしょうか。
まとめ
如何でしたでしょうか。
似た様な漢字と意味でありながら、一方は『態度や行動』までの範囲を指し示す言葉。
もう一つは単純に『浅はか』と置き換え出来る言葉でした。
この様に意味も漢字も似ている言葉は使い方を気を付けないと誤用を簡単にしてしまいがちですので、十分気を付けて理解をする様にして下さい。