「渋る」と「躊躇う」の違いとは?分かりやすく解釈

「渋る」と「躊躇う」の違い違い

何かお願い事をされて、それを受けるかどうか返答に迷っているとき、あなたは「渋っている」のでしょうか、それとも「躊躇っている」のでしょうか。

似た意味を持つこの二つの言葉ですが、意味に少し違いがあります。

この記事では、「渋る」「躊躇う」の違いを分かりやすく説明していきます。

「渋る」とは?

「渋る」とは、「物事がすらすらと運ばなくなること、円滑に進まなくなること」「気が進まない様子」を意味する言葉です。

似た意味の言葉としては、「滞る(とどこおる)」「惜しむ」「難色を示す」などがあります。

「渋る」を英語に訳すと、“be reluctant to”になります。


「渋る」の使い方

気が進まない様子という意味で使うときには、「~することを渋る」という形になります。

また、文章を書いていて、なかなか書き進まないことを「筆が渋る」と言います。

この場合の「渋る」は、円滑に進まないという意味です。

体調不良の症状として「腹が渋る」「渋り腹」という表現があります。

あまり聞きなれない方もいるかもしれませんが、これは、便意はあるのに少量出るだけで排便の終わる感じがない状態を意味します。


「躊躇う」とは?

「躊躇う」は、「ためらう」と読み、「あれこれ考えて迷うこと、決心がつかずにぐずぐずすること」を指します。

「躊躇」は、送り仮名をつけて「ためらう」と読む場合と、送り仮名をつけずに「ちゅうちょ」と読む場合がありますが、意味はどちらも同じです。

「躊」「躇」はどちらも画数が多く、難しい漢字ですが、二つとも意味は「ためらうこと」です。

「躊躇う」は、英語で“feel hesitate”と言います。

「躊躇う」の使い方

「渋る」と同様に「~することを躊躇う」という形で多く使われます。

「躊躇」「ちゅうちょ」と読むときには、「~することを躊躇する」という形になります。

「渋る」と「躊躇う」の違い

「渋る」については、何かをするのに気が進まないことを指しますが、「躊躇う」については何かをする決心がつかない状態を意味します。

微妙なニュアンスの違いですが、内心として「渋る」は、「あまりやりたくない」「躊躇う」は、「やるべきか分からない」という意味合いだと考えるとわかりやすいでしょう。

「渋る」の例文

・『友人にお金を貸すことを渋る。』

・『雨だからいやだと、出かけるのを渋る。』

・『費用を出し渋ると、後悔するかもしれないよ。』

・『私たちに協力することを渋っているようだ。』

「躊躇う」の例文

・『本当のことを彼に教えるべきか躊躇う。』

・『あまりの見た目のひどさに食べるのを躊躇ってしまった。』

・『彼女は何の躊躇いもなく踏み出した。』

・『躊躇う暇もなく「はい」と答えるしかなかった。』

まとめ

日本語の微妙なニュアンスの違いはなかなか理解するのが難しいものです。

「渋る=やりたくない」「躊躇う=やるか迷う」と覚えておきましょう。

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