「減退」と「衰退」の違いをご存知ですか?
この記事では「減退」と「減衰」それぞれの言葉の意味や違い、使い方を分かりやすく解説していきます。
「減退」とは?
「減退」は「げんたい」と読みます。
「減退」とは減るという意味の「減」、退くという意味の「退」からなる日本語です。
減るとは、量、数、程度などが少なくなること。
退くとは、あとへ下がることを言います。
「減退」の意味は、「勢いが衰えること。
また、量が少なくなること」です。
また「意欲や、体力が衰えること」という意味もあります。
かつてのような勢いが感じられなくなることを「減退」という言葉で表現します。
「減退」の例文
・『食欲が減退する』
・『思考力が減退する』
上記2つの例文は、肉体的な衰えを表した文章です。
年齢を重ねると肉体は衰えます。
そのような場合「減退」という言葉を用います。
「減退」の類義語。
減退の類義語には次のようなものがあります。
・後退 ・減少 ・衰微(すいび) ・衰退 ・低下 ・萎靡(いび)
「衰退」とは?
「衰退」は「すいたい」と読みます」「衰退」とは衰えるという意味の「衰」、退くという意味の「退」で構成される日本語です。
衰えるという言葉は、勢いが弱くなること。
退くは前述しましたように、あとへ下がることを言います。
「衰」と「退」の2語をあわせて「衰退」とは、具体的には「勢いが衰えて弱ること」を意味します。
「衰退」の例文
・『産業が衰退する』
・『商店街の衰退がすすんでいる』
・『王朝が衰退していく』
上記3つの例文は、一度は栄えた文化・文明の勢いが衰えることを表現したものです。
「衰退」の類義語
衰退の類義語には、次のものがあります。
・減衰 ・減退 ・衰滅(すいめつ) ・衰微(すいび) ・衰亡(すいぼう)
「減退」と「衰退」の違い
用語の意味はお分かりいただけたでしょうか?
「減退」は勢いが衰えること。
量、数、程度などが少なくなることを表します。
そして、「衰退」は勢いが衰えて弱ることを言います。
まとめ
以上が「減退」「衰退」それぞれの言葉の違いです。
・「減退」・・・勢いが衰えること。
量、数、程度などが少なくなること。
・「衰退」・・・勢いが衰えて弱ること。
「減退」と「衰退」に共通するのは、「勢いが衰える」という意味を含むことです。
非常に良く似た言葉で、一見すると違いがとてもわかりづらいです。
しかし使われる場面は違います。
「減退」は肉体的な衰えなどを表現するときに用いられます。
それに対して、一度は極めた文化や文明が衰えるときは「減衰」が使われます。
普段何気なく使う言葉ですが、言葉の意味や違いを問われると戸惑います。
この機会に、「減退」と「減衰」の言葉の違いを整理してください。