自分が好きなことは、つい時間を忘れて夢中になってしまうものです。
この記事では、「熱烈」と「熱狂」の違いを分かりやすく説明していきます。
よくある感情の微妙なニュアンスの違いを、正しく学んでいきましょう。
「熱烈」とは?
熱烈とは大好きなことに、とくに夢中になること。
またその時の気持ちの高ぶりをあらわしています。
興奮していて、思わず我を忘れてしまうような激しい様子です。
熱烈の「熱」はからだが熱くなるくらい、何かに集中している状態をさしています。
また熱烈の「烈」にはそそり立つ炎という意味もふくまれていて、炎のように激しく燃える様子をつたえています。
つまり熱烈とは、メラメラ燃える炎のように熱い状態のこと。
例文を挙げるなら「有名アーティストがファンから熱烈な歓迎を受けた」や「熱烈なサポーターが、黄色い声援をおくった」などの言い方をします。
どちらも自分が好きな人やチームに対して、熱いラブコールを送っている様子をさしています。
はちきれそうな思いをコントロールできず、非常に興奮している状態が想像できます。
「熱狂」とは?
熱狂とは狂わんばかりに、興奮していることです。
周りの景色が目に入らないくらい神経が研ぎ澄まされていて、とても熱中している様子をあらわしています。
熱狂の「熱」は先ほどと同じ、からだが熱っぽくなるくらい集中していること。
熱狂の「狂」は興奮のあまりに落ち着きがなくなり、慌ててしまう「尋常ではない状態」をさしています。
つまり異常なくらい、興奮してしまう気持ちが熱狂になります。
例文を挙げるなら「バブルが熱狂した」や「メダリストは熱狂的なファンに囲まれた」などがあります。
熱狂には度を越したというニュアンスも含まれるので「熱狂的なファンが、有名芸能人の自宅に侵入した」など、良くない出来事を伝えるときに用いられることもあります。
「熱烈」と「熱狂」の違い
「熱」という言葉が付いているので、ニュアンスの差が分かりにくいのが「熱烈」と「熱狂」です。
「熱烈」と「熱狂」の違いを、分かりやすく解説します。
正しい使い分けができるようになると、日本語の知識がぐっと深まります。
・軽いか重いかの違い 熱烈も熱狂も、自分がとても大好きな人や物に対して使われる言葉です。
どちらも興奮していて我を忘れるくらい、のめり込んでいる状態をさしています。
ただ比較をするのであれば「熱烈」の方がやや軽く「熱狂」の方がやや重たいという程度の差があります。
熱狂は「狂う」という文字が含まれているので、熱烈にくらべて激しく興奮している様子をあらわしています。
正気の沙汰ではない…というニュアンスも含まれているので、より強い「愛情」をしめすのが熱狂になります。
まとめ
「熱烈」は大好きの気持ちが高まって、感情が高ぶっている様子。
「熱狂」は気が狂うくらい興奮している状態をさしています。
どちらもお気に入りの人やチームに対して用いる、愛情表現のひとつです。
炎のように燃えてしまうくらい、夢中になれることがあるのは案外幸せなことかもしれません。