この記事では、組織などの支配者となるという言葉である「牛耳る」の意味を分かりやすく説明していきます。
「牛耳る」とは?意味
ぎゅうじると読み、団体や組織を支配する人物となり、思いのままに動かすという意味になっています。
牛耳を執るという言葉が転じたものとなっています。
「牛耳る」の概要
古代中国で行われていた、周王朝の封建制での地域支配者である諸侯が集い、盟約を結ぶ際、盟主が牛の耳を裂いて手に持ち(執り)、諸侯はその血をすすり合ったという習わしが言葉の元とされています。
牛耳るという言葉は最初に夏目漱石が使ったという説もありますが、牛耳を執るという言葉や牛耳という言葉は存在していたため、略語としての発想が最初ではとされています。
非常に牛耳る、よく牛耳るといった強調した使い方はできませんが、多数の組織を牛耳るという使い方は可能です。
やや公ではない儀式的な習わしが語源だけに、後ろ暗いイメージの使われ方をするケースが多く、「日本を牛耳る」「病院を牛耳る」という言葉はあまり明るいイメージではとらえられないと言えるでしょう。
ただし、牛耳るを支配するという言葉に言い換えてもそれほどいいイメージではないとも言えます。
牛耳るという言葉は組織のナンバーワンになるという意味合いもありますが、組織のナンバーワンと言っても最も成績の優れた人という意味合いは薄く、組織を動かす頂点の人物という意味が強くなります。
「牛耳る」の言葉の使い方や使われ方
「芸能界を牛耳ると言われる人物」「日本の経済を牛耳る人物」「町内会を牛耳る結果になる」などの使い方がありますがある程度スケールが大きくないと似合わない言葉であると言え、「町内会」程度ではそぐわない言葉であるとも言えるでしょう。
どちらかと言うと悪のイメージが漂う部分もありますが牛耳る=悪のトップというわけではありません。
「プロ野球を牛耳る」や「広告界を牛耳る」という使い方ではそれほど悪いイメージはないと考えられます。
「世界を牛耳る」という言葉もありますがこちらは支配者になるというよりは世界トップレベルの活躍をして欲しいという使い方となっています。
自分で所属している組織などを「牛耳るようになりたい」とオープンな場で言うケースはあまりないと言えるでしょう。
「牛耳る」の類語や言いかえ
「芸能界を牛耳る」、「日本の経済を牛耳る」のイメージに近い意味合いが「支配する」や「手に落ちる」「裏で操る」が有り、スポーツなどにおいて世界を牛耳るという言葉での意味合いに近いのは「トップになる」「首位に立つ」などが挙げられます。
まとめ
「牛耳る」という言葉は中国の諸侯による習わしがもととなった言葉で、響きの力強さも有り後ろ暗いイメージも持った支配という雰囲気が漂っています。
ただし、スポーツで牛耳るなど悪い意味ではない使い方もあるため本来は比較的広い範囲で使える言葉と言えます。
本のタイトルなどでは裏の支配者的なイメージに対して使われるケースが多いようです。