この記事では、「犠牲者」と「被害者」の違いを分かりやすく説明していきます。
「犠牲者」とは?
事故や災害などで生命を奪われた人という意味があります。
事故とは、思ってもいなかったときに起こる悪い出来事です。
たとえば、道を歩ていたら車がぶつかる、交差点で車と車が衝突する、頭上から危険物が落下してくるなどです。
災害とは、地震や台風など自然によって引き起こされるものや、火災などのことです。
地震や台風はある程度予想できますが、人間の力ではコントロールできず、突然にやってきます。
火災は気をつければ防ぐことができますが、やはりどんなに気をつけていても突然発生することがあります。
こういったことが起こると、命を失うことがあります。
そうして命が失われてしまった人が「犠牲者」です。
「犠牲者」の使い方
事故や災害などによって命を奪われた人のことを指して使用します。
人間は必ず死を迎えます。
死を迎える原因には、老衰、病気、事故、災害、殺人などさまざまありますが、「犠牲者」は老衰や病気などで亡くなることではありません。
思わぬ事故や災害などによって命を奪われた人のことです。
「被害者」とは?
損害や危害を受けた人のことです。
損害や危害には、法律的に問題となるものと、そうでないものとがあります。
法律で問題となるのは、窃盗、住居侵入、放火、暴行などさまざまあります。
こういったものによって、傷つけられたり、利益を失われたりした人のことを「被害者」といいます。
法律で問題とされないものには、災害による損害や危害があります。
地震や台風などは、誰かが意図的に行うものではありません。
自然によって引き起こされるもので、こういったもので被害を受けても、法律で誰かが裁かれることはありません。
しかし、自然災害などによって傷つけられたり、利益を失われたりした人のことも「被害者」といいます。
「被害」には、傷つけられたり、物品を失ったりすることという意味があります。
こういったことを受けた人が「被害者」です。
「被害者」の使い方
生命や身体を損なうようなことや、物品を傷つけられたり失われたりした人を指して使用します。
人に対して使う言葉です。
「犠牲者」と「被害者」の違い
前者の言葉は、命を奪われた人を指しています。
後者の言葉は、損害や危害を受けた人を指しています。
命は奪われていません。
「犠牲者」の例文
・『多くの犠牲者を出した』
・『犠牲者に花束をささげる』
・『原爆による犠牲者』
・『新たに10人の犠牲者がみつかった』
「被害者」の例文
・『被害者の数を確認する』
・『被害者に後遺症が残った』
・『被害者の心のケアをする』
・『多くの被害者が出た』
まとめ
事故や災害などによって、このような人たちが出てきますが、同じ人を指しているのではありません。
一方や命を奪われた人、もう一方は傷つけられたり、利益を失われたりした人を指しています。