「狼狽売り」と「損切り」の違いとは?意味や違いを分かりやすく解釈

「狼狽売り」と「損切り」の違い違い

株式投資の世界には売買の様子を表す独特な表現として「狼狽売り」「損切り」があります。

どちらも投資用語ですがこのふたつはどのような意味があるのでしょうか。

今回は、「狼狽売り」「損切り」の違いを解説します。

「狼狽売り」とは?

「狼狽売り」とは「急激な相場変動にうろたえてしまい、冷静に損得を判断することなく慌てて株を売ること」を指す言葉です。

「狼狽売り」はそのまま「狼狽して売る」という意味で使われます。

株式を含む投資市場では何らかの理由で相場が急変することがあります。

暴騰や暴落など急激な相場変動は投資家真理に大きな不安を与えます。

本来であれば冷静に落ち着いて先行きを見通して判断するべきなのですが、不安を抱える投資家はそのような状況ではとても落ち着いていられずパニック状態に陥ってしまいます。

パニックに陥ってしまえば合理的に判断できるはずがありません。

「パニックのまま合理的判断なく焦って株を売り払ってしまう行為」「狼狽売り」です。

「狼狽売り」は別名「パニック売り」とも呼ばれそのような行動を誘発するような相場状況のことを「パニック相場」と呼びます。

投資家の真理としては「これ以上の大きな損失を防ぎたい」という思いにかられて株を売っているのですが、一時的な相場の急変に慌てて株を売るのは得策ではありません。

ナンピン買いや相場が戻るまで保有し続けるなどいろいろな選択肢があるはずなのに、そのことについて頭が働かずむやみに株を手放してしまう行為が「狼狽売り」です。


「狼狽売り」の使い方

・一時的な下落に対する狼狽売りが売りを呼び、大暴落の引き金になった。

・狼狽売りしたくなる気持ちをグッとこらえて反発を待つ。

・他の投資家が狼狽売りするタイミングこそ株買いのチャンスである。

・損失の大部分は狼狽売りによるものだった。


「損切り」とは?

「損切り」とは「損失を確定させてこれ以上の損を防ぐために値下がりした投資商品を売ること」を指す言葉です。

株式などの投資商品は取引価格が時々刻々と変動しますが、一度購入した投資商品は売らない限り損益が確定しません。

1万円で購入した株の現在取引価格が8千円まで値下がりした場合、評価額では2千円の含み損が発生するものの売らない限り損失は確定しません。

購入した投資商品が値下がりしたとき保有し続けるか、手放すか選択肢は2つです。

再び値上がりして利益が見込めるなら保有し続けるのが合理的選択ですが、今後更なる値下がりが予想されるのであればこれ以上の損失を防ぐために損失を確定させてでも売るのが合理的に正しい選択となります。

このような「損をしてでも売ることで今以上の損失が出ることを防ぐ」のが「損切り」です。

「損切り」の使い方

・2割の値下がりで損切りすると決めておく。

・損切りしそびれたせいで損失が増えてしまった。

・必要だとわかっていても損切りには勇気がいる。

・投資が旨い人ほど損切りの決断が早い。

「狼狽売り」と「損切り」の違い

「狼狽売り」「損切り」の違いは「冷静で合理的な判断があるかないか」です。

「狼狽売り」は不安な心理にかられて行われる合理的な判断のない感情的な選択であるのに対し「損切り」は損等という合理的な判断に基づいて決定されます。

心理的要因によって行われる「狼狽売り」とは違い「損切り」は極めて冷静な判断で行われます。

まとめ

同じく値下がりした株を売る行為であっても「狼狽売り」「損切り」では全く意味合いが異なります。

売りの種類によって相場の見方も変わってくるので、まずは言葉の意味をしっかりおさえておきましょう。

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