この記事では、「生じかねない」の意味を分かりやすく説明していきます。
「生じかねない」とは?意味
何かが起こるかもしれないという意味です。
「生じかねない」の「生じ」は「生ずる」のことです。
生ずるには3つの意味があります。
1つめは、植物やカビなどがはえるです。
室温に食パンをそのまま放置しておくと、黒くぽつぽつとしたものがでてきます。
このことを「カビが生ずる」といいます。
2つめは、新しく何かができる、今までになかった物事や状態が発生するです。
木材の場合、年月が経つと木材が収縮・膨張などして、亀裂が入ることがあります。
このことを「木材に亀裂が生ずる」といいます。
今まで亀裂はなかったけれど、新しく亀裂ができています。
3つめは、ある物事や状態を新しく作るです。
これまでは問題なくやっていたのに、あるときに、ある人が疑わしい行動をしたとします。
これは「疑惑が生ずる」と表現できます。
「かねない」は、「かねる」に「ない」をつけた語です。
~するかもしれないという意味になります。
こういったことから「生じかねない」は、ある物事や事態が生じるかもしれないという意味になります。
「生じかねない」の概要
「生じかねない」は、~するかもしれないという意味で、実際にはまだその状態にはなっていません。
食べものの好き嫌いのことで考えてみます。
大人の場合は、「これを食べた方がいい」「健康のために食べなければ」など、頭で考えて嫌いなものを食べられるようになる場合がありますが、子どもはそうではありません。
何をどう与えるかによって、ある食べものを嫌いになってしまうことがあります。
ある子は、お菓子が大好きです。
ご飯を食べなかったときには、親がお菓子を与えて食事の代わりにしていました。
この子はピーマンのことを好きでも嫌いでもありません。
しかし、ピーマンを食べなければお菓子を出してもらえるので、次第にピーマンを食べなくなってきました。
そして、食べないので親はお菓子を与えます。
こういったことを繰り返していると、これまで嫌いではなかったピーマンを嫌いになってくる可能性があります。
好き嫌いが「生じかねない」のです。
「生じかねない」の言葉の使い方や使われ方
何かが起こりそうだというときに使用をします。
物事や状態について使用する言葉です。
たとえば、「友情に亀裂が生じかねない」「混乱が生じかねない」「影響が生じかねない」などの使い方があります。
話し言葉として頻繁に使用することはなく、文書で使われています。
「生じかねない」の類語や言いかえ
「~になるかもしれない」「~するかもしれない」が似たような意味の言葉です。
実際にはそうなってはいませんが、ある状態になりそうだという意味です。
「友情に亀裂が生まれるかもしれない」「影響が出るかもしれない」のような使い方をします。
まとめ
実際にはそうなってはいないけれど、そうなるかもしれないという意味を持つ言葉です。