「生一本」とは?意味や使い方、例文など分かりやすく解釈

「生一本」とは?意味と使い方

この記事では、「生一本」の意味を分かりやすく説明していきます。

気になった言葉を、今すぐ勉強していきましょう。

「生一本」とは?意味

生一本(きいっぽん)とは、熱心に取り組んでいること。

わき目もふらず、目の前の作業にのめり込んでいく様子です。

仕事熱心な人、勉強熱心な学生さんにつかう、一生懸命さをつたえる言葉になります。

そもそも「生一本」とは「生の一本」と書き表します。

「生」というのは「不純物がない・一点の曇りもない」という訳があります。

そのため悪いことを考えない、ピュアな心意気をあらわします。

そして「一本」には「ひとつの心・物事の中心」という意味があります。

つまり心の奥深くまで調べてみても、純粋で澄んでいるもの、真心がこもっているものが「生一本」です。

遊んでいる様子がない、非常に熱心なさまを伝えています。


「生一本」の概要

「生一本」はもともと、日本酒にまつわる言葉です。

江戸時代には日本酒ブームが起こり、全国各地のブランド酒が高い値段で取引されるようになりました。

なかには質のわるい酒をかき集めた「レベルの低い日本酒」も出回るようになりました。

このような悪質な状態を取り締まろうと、ひとつの蔵元でつくった酒にあるラベルを付けて取引するようになりました。

このラベル名が「生一本」です。

現在でも日本酒の刻印には、この伝統を受け継いで「生一本」と記してあるものもあります。

もともとは「正規品」を示すものですが、現在では「一本気」をあらわす用語として親しまれています。


「生一本」の言葉の使い方や使われ方

「生一本」はこのように使います。

・『何をやっても完全無欠。生一本な人柄になりたい』
・『キリっとした味わいの生一本を、心ゆくまで楽しんだ』
・『彼は昔から勉強熱心、生一本な性質だ』
「生一本」とはひた向きで、真っすぐな性質をあらわします。

誘惑に打ち勝てる、強い心を持っている人物像です。

そのため人柄を伝えるシーンで用います。

また生一本は日本酒など、おいしい桝酒を飲むシーンでも利用されています。

「生一本」の類語や言いかえ

「生一本」はこのような言葉に、置きかえできます。

・真正直
・実直
・誠実
・シングルモルト
真正直(ましょうじき)は、生一本と同じ意味合いがある言葉です。

心の底から、まじめな仕草をあらわします。

また実直(じっちょく)は、裏表のない澄みきった性質をあらわします。

誠実は思いやりがあって、他人に献身的にふるまえる温かい人をさします。

ちなみにシングルモルトとは、ウイスキーに使われる言葉。

ひとつの酒蔵だけで作られたお酒を指します。

シーンにあわせて、ふさわしい類語を使っていきましょう。

まとめ

「生一本」の意味と使い方をおさらいしました。

「生一本」とは、混じりけがなく一本気なこと。

ひとつの仕事に丁寧に向き合う姿をあらわしています。

「生一本」は日本酒の偽造を防ぐために、つくられた言葉です。

「まがい物ではない」という意味から、現在の「まじめ」を伝える表現になりました。

意味と使い方
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