この記事では、「皮肉」と「風刺」の違いを分かりやすく説明していきます。
「皮肉」とは?
皮肉とは、ひにくという読み方をする言葉です。
漢字で表現されているのを見れば分かりますが、かわとか物事の表面、うわべといった意味を持つ皮の文字と、動物の皮下にあり骨を覆う柔らかい組織や人の身体という意味を持つ肉の字を、組み合わせる事で成立した言葉となっています。
そのため皮肉とは、遠回しに意地悪く相手を避難する事だったり、期待とは違う結果になる事やその様を表す言葉です。
「皮肉」の使い方
皮肉には大きく分けて、2つの使い方が頻繁に見られます。
1つ目は、相手の気にしている部分や弱点を遠回しな言い方で突く際に用いられる事です。
皮肉を言う、といった形でその様が表現されるのです。
2つ目に使い方としては、期待していた様な結果が得られなかった際に、皮肉にも、といった風にその様を表現したりします。
「風刺」とは?
風刺とは、ふうしという読み方すべき言葉です。
文字で見れば明確な様に、かぜとか習わしや様式、遠回しに言うといった意味を持つ風に、尖った物で突きさすとかそしるといった意味を持つ刺の字を付け加える事で生み出された言葉となっています。
だからこそ風刺は、社会や人の欠点や問題を遠回しに批判したり、批判を嘲笑的に表す事を意味する言葉です。
「風刺」の使い方
風刺という言葉は、国家や組織、人物等の愚かしい所や欠点を暴く際に用いる表現技法として使われる事が多くなっています。
具体的には、風刺小説や風刺画といったジャンルを表現する際に用いられる事が多いです。
他にも、風刺のきいた、といった使い方もそれなりに多く見る事が出来ます。
「皮肉」と「風刺」の違い
皮肉と風刺は、使われている文字も読み方も特に似ている部分はありません。
ですが共に、遠回しに非難する、という意味合いを有しているため、その意味を表す際にどちらの言葉を使えば良いか迷う人もいるものです。
もっともこの2つの言葉が持つ意味の違いは、同じ批判でも皮肉の方が意地の悪さという主観が多く入り込んでいます。
なので皮肉の方は、風刺画や社会風刺という形で作品のジャンルとして表現される事はないです。
「皮肉」の例文
・『初歩的なミスを犯したせいで、同僚から皮肉をたっぷり言われてしまった』
・『大事な商談に失敗したせいで上司から、良く頑張ったと皮肉めいた言葉を貰いました』
・『皮肉な事に、慌てて売却した株式が売却した途端に急騰した』
「風刺」の例文
・『これは非常に風刺のきいた文学作品なので、おすすめです』
・『現代社会を風刺するのが彼の作品の特徴です』
まとめ
文字で表記されているのを見れば、2つの言葉は特に似通っておらず全然違う言葉となっています。
所が共に、直接的な表現はしないで遠回しに批判する、といった意味合いを持っているという共通点があるのです。
ただし比較すると皮肉の方が、個人の主観と言える悪意が含まれているので、風刺小説といった形でジャンルとして皮肉という言葉が使用される事はありません。