同じような熟語でも、よく見ると漢字の一部が異なっているものがあります。
この記事では、「盤石」と「磐石」の違いを分かりやすく説明していきます。
知識を磨いて、隣の人に差をつけていきましょう。
「盤石」とは?
盤石(ばんじゃく)とは、大きな岩のこと。
そこから「何事にも動じることがない」堂々とした様子をあらわす言葉になっています。
盤石には「盤」という漢字が使われています。
「皿」がふくまれていますが、もともとは「皿などを載せる大きな台」から転じた言葉です。
そのどっしりとしたフォルム、佇まいなどから「盤石」という熟語が生まれるようになりました。
しっかり地に足が付いていて、揺らがないこと。
重みがあることを「盤石」と例えています。
使い方を見ていくと「彼は物心ついた頃から、盤石としている」や「盤石な経営体質のため、投資家の評判もいい」や「盤石を期す作品がノミネートした」などがあります。
「盤石を期す」には、安定しているという意味があります。
「磐石」とは?
磐石(ばんじゃく)とは、硬い岩のこと。
同じように「揺すってもビクともしない」どっしりした様子をあらわす例えです。
「磐石」という熟語をよく見ると「石」という漢字がはいっています。
もともと「磐」とは巨大な岩をさす言葉。
大人1人では持ち上げられないような、ビッグな石をさしています。
重たくて大きな石は、風が吹いても雨が降ってもうろたえることはありません。
365日同じ姿でそこにあり続けています。
そうした様子から名付けられたのが「磐石」です。
具体的な例文をあげると「営業チームを磐石にするための、新たなプランが話し合われた」や「彼のポリシーはいつでも磐石だ」や「磐石の地位が築かれた」などがあります。
堅調な様子をつたえるのが「磐石」です。
「盤石」と「磐石」の違い
どちらも同じ「ばんじゃく」と読めるので、どこで線を引いたらいいのか迷ってしまいます。
「盤石」と「磐石」の違いを、分かりやすく解説します。
・基本的な意味はおなじ
「盤石」と「磐石」は、どちらも辞書を引くと同じ意味で載っています。
そのためどちらの漢字を、つかっても間違いではありません。
書きやすい漢字を用いて、表現していくといいでしょう。
ただどちらかに決めかねた場合は「盤石」を。
「盤」の文字は常用漢字として登録されています。
そのため常用的に用いることができるのは、「磐石」ではなく「盤石」。
公の文書に記したいときは、常用漢字である「盤石」を選んでおくと安心です。
まとめ
「盤石」と「磐石」の違いを分かりやすくお伝えしました。
「盤石」は皿を載せる大台から生まれた言葉。
「磐石」はぶ厚い石になぞらえた例えです。
どちらもどっしりしていて揺るぎのない、堂々とした様子をあらわします。
四字熟語に例えるのなら「威風堂々」や「公明正大」などがこれに当たります。
常用漢字として登録されているのは「盤石」なので、迷った場合はこちらを採用するのがおすすめです。