「目も当てられない」について
「目も当てられない」は「めもあてられない」と読みます。
「当てる」を「充てる」と書き間違わない様に注意しましょう。
「目も当てられない」の意味とは
「目も当てられない」の意味や言葉の成り立ちなどについて紹介します。
「目も当てられない」の意味
「目も当てられない」の意味は「あまりにもひど過ぎて見るに堪えない」「悲惨過ぎてまともに見ていられない」ということです。
その人の様子があまりにも落ち込んでいるので可哀相で見ていられないという、感情や雰囲気を意味する場合と、事故や災害が起きてしまい、実際に悲惨な状態を意味する場合があります。
どちらにしてもかなり悪いことが起きている状態です。
普通に「ひどい」と言う人もいますが、こちらの場合は「その様な状態」という事実を現る言葉です。
これに対して「目も当てられない」は、「その様な状態であり、とても見ていられない」という語り手の感情を含んだ言葉なのです。
「目も当てられない」の成り立ち
「目も当てられない」は「目+も(助詞)+当て・られ・ない」から成り立っています。
「目」は「視線・目線」を表し、「も」は「視線すら」という意味で使われています。
声をかけたり手助けをするどころか、見ることすらできないという強調の意味です。
「当てられない」の「当てる」は、「ある物をある方向に振り向ける」という意味で、「られる」は受け身ではなく可能の意味で、「ない」が付くことで可能否定の意味になります。
これらの言葉が組み合わさり「目も当てられない=視線を振り向けることが不可能な様子=ひど過ぎて見るに堪えない」という意味になるのです。
「目も当てられない」の言葉の使い方
「目も当てられない」の言葉の使い方には以下のポイントがあります。
他人に対して使う
「目も当てられない」は、第三者から見て当事者がひどい状況に陥っている時に使われます。
余程冷静な人でない限りは自分に対して使うことはありません。
特に相手をけなす意味はない
「目も当てられない」には相手をバカにしたり卑しめる意味はありません。
日常会話で特に気にする必要はないのですが、ひどいかどうかは個人の主観によるものです。
相手がそう思っていない場合、使い方次第で気分を害してしまうかも知れませんので注意しましょう。
「目も当てられない」を使った例文
「目も当てられない」を使った例文と解釈を紹介します。
「目も当てられない」の例文1
「彼は試験に落ちた直後に彼女にフラれてしまい、目も当てられない状態だ」
試験に不合格した上に恋人にもフラれてしまいました。
悪いことが重なり非常にショックを受けて落ち込んでしまい、周囲が気の毒に思っている様子を表しています。
「目も当てられない」の例文2
「ここでファイルが壊れたら目も当てられないことになる」
プレゼンなど大切な資料をパソコンで作成している時に不具合が発生しました。
もしファイルが壊れてしまったら想像を絶する程悲惨な状態になることが伝わります。
「目も当てられない」の例文3
「事故現場は目も当てられない状態だった」
事故の現場を目撃してしまった人が、あまりに悲惨で目をそむけたくなる程だったことを伝えています。
「目も当てられない」の英語と解釈
「目も当てられない」の英語表現は“too pitiful(terrible/horrible) to look at”が使えます。
誰かがミスをしてトラブルになってしまい、非常に落ち込んでいる時に“It was too pitiful to look at him”(彼が可哀相で目も当てられない)と言います。
「目も当てられない」の類語や類義表現
「目も当てられない」の類語は以下の通りです。
「見るに忍びない」
「みるにしのびない」と読みます。
「忍びない」は「耐えられない・我慢できない」という意味で、「目も当てられない」の言い換えとして使われています。
「痛ましい」
「いたましい」と読みます。
意味は「目をそむけたくなるほど悲惨で痛々しい」ということで、どちらかというと事故や災害が起きた時に使われます。