「目的」と「意義」という言葉は、いずれも「行為や物事の意味」を伝える大切な言葉です。
似たような印象の言葉ですが、使い分けや意味に違いがあるのを知っていますか。
この記事では、「目的」と「意義」の違いを分かりやすく説明していきます。
「目的」とは?
「もくてき」と読みます。
実現しよう、到達しようとして目指すことがらや、行動のねらいを意味します。
めあてのことです。
行為において目指すものや、それに向けてその行為が行われ、実現が求められるものです。
「目的」の使い方
「目的」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『私たちは当初の「目的」を達成しました』
・『それは本来の「目的」にかなう行いだと思います』
・『今回の会議の「目的」は、売上を達成するための施策を出し合うことです』
・『ついに「目的」をとげ、大きな達成感に包まれています』
・『あの学校は、「目的」意識の高い生徒がそろっています』
「意義」とは?
「いぎ」と読みます。
言葉によって表される意味や内容のことです。
特にその言葉に固有の内容・概念を意味します。
また、ある物事が他との関連において持つ価値や重要性を表現するときにも使います。
「意義」の使い方
「意義」が使用される代表的な例文をみてみましょう。
・『言葉の形態と意義について、きちんと学びましょう』
・『子育て支援は、子供の数が減っている今日では「意義」のある施策です』
・『宗教学は、グローバル化した現代において「意義」ある学問といえます』
・『医者や看護師はときに人命を救い、とても「意義」のある仕事だと思います』
・『有「意義」な時間をすごせました』
「目的」と「意義」の違い
それでは「目的」と「意義」の違いを、改めて整理してみましょう。
いずれもボーッとした状態とは真逆の様子をイメージさせる言葉です。
「内容がある」「充実している」というニュアンスを持つ点は同じです。
しかし「目的」が、「行為が目指すところ」「最終ゴール」を示すのに比べて、「意義」は、「そのもの、もしくは、そのことでもたらされる価値」「その行為がもたらす意味」を表し、微妙ですが異なります。
例えば『運動する「意義」』とした場合は、健康維持やアンチエイジングなど「運動そのものに意味や価値がある」という意味になります。
一方、『運動する「目的」』とした場合は、健康やアンチエイジングなど「私が運動する理由」という意味になります。
「目的」は主語が「人」になる点がポイントです。
使い分けるときは、「目的」と「意義」を伴う言葉が「そのもの(上記の例では運動する行為そのもの)」を意味しているのか、「人が行うこと(上記の例では運動する人)」を意味しているのかを考えましょう。
まとめ
この記事では「目的」と「意義」の違いをみてきました。
見落としやすい微妙な違いですが、意味を正しく理解して、適切に使い分けるようにしましょう。