この記事では、「真空」と「密封」の違いを分かりやすく説明していきます。
「真空」とは?
「真空」は、格納する容器の中に空気が一切入っていない状態のことで、食品などが空気に触れることで劣化するという問題をなくすのが「真空保存」という製法です。
「真空」は、容器内に空気の存在が無いが故内部の空気が物質を酸化せないが故、食品においては保存性を伸ばす最高の手段になります。
「密封」とは?
「密封」は容器内の物がこぼれださないよう固く内部を閉めることです。
なお、「密封」はあくまで格納容器を固く閉めることであるため、実際には空気の出入りはあり、保存容器内の物体は酸化します。
「真空」と「密封」の違い
「真空」と「密封」の違いは、容器内に保存をする行為であると見た場合、空気を含むか含まないかで、「密封」はあくまで固く内容物がこぼれないよう蓋をしているだけに過ぎないです。
その為、容器内には空気が存在しており、この空気が物体を腐食させるため、食品においては、「密封」はあくまで内容物が零れ落ちないようにしただけになります。
「真空」の例文
・『真空保存』
この例は、容器などの空気を強制的に放り出し、保存することを意味します。
ただし、完全なる「真空」は、地球上では実は作り出すことは不可能で、どうしても見えない空気が残るため完全に空気が無い状況は作り出すことは不可能です。
「密封」の例文
・『放射線を密封する』
この例は、放射線が外に漏れださないよう蓋をすることを意味します。
蓋をする過程で空気が入り込むことは問題としておらず、内容物である放射能が外に出なければそれでよいという考えが「密封」です。
なお、放射線は、時間経過とともに減少するため、長期間保存することを可能とした「密封容器」内に放射性物質を閉じ込め、放射線が減少した場合において内容物の放射線を取り出します。
なお、取り出された放射線を放つ物質が再度放射線を放つのは、再度放射性物質を利用した場合のみになります。
まとめ
「真空」と「密封」の違いは、保存をする行為であると仮定した場合、空気の混入が許されない状態化で保存をしているか、単に内容物の流出が起きないよう保存をしているかです。
その為、「密封」の場合、放射線は空気の出入りを可能とする穴があれば外に漏れだしてしまいますが、「密封容器」自体がしっかりとした造りであれば空気ですら漏れだすことはありません。
そして「真空容器」に関しては実は完全なる空気が混入していない状態という物は作り出すことが地球上ではできないため、事実上「真空容器」という物は存在しないのです。
ただし、宇宙空間のような場所であれば、空気の存在がありませんので「真空」を作り出せており「真空容器」も宇宙空間であれば容易に作り出すことが可能です。
なお、空気が無い状態の「真空」は熱の伝わり方も異なり、空気が無いが故熱を奪う分子が存在しないため、熱が逃げにくいという特性もあり、保存容器においてもこれらの特性を利用すれば冷めにくい容器になります。