何事にも冷静で、問題があった時にはすぐ対処できる人はとても頼りになります。
そう言った人を「知性的」だとか「理性的」といいますが、この「知性」と「理性」は全くの別物です。
この記事では、「知性」と「理性」の違いを分かりやすく説明していきます。
「知性」とは?
「知性」とは物事に対して知識を元に考え、判断する能力です。
「知性的」という場合、頭が良く知識や教養があり、物事をよく考えた上で、より良い結果になる決断ができることを指します。
「知性」による判断は、知的能力によって行われる判断です。
なにかトラブルが起きた時に、こういった問題はこの手段で解決できるという知識や、前このトラブルが起きた時にはこう解決したという経験を元に考え、判断するのが「知性」になります。
知っていることを元に行動する能力が「知性」と言えるでしょう。
「理性」とは?
「理性」は物事に対して感情的にならず、論理的に考え道理に従い判断することです。
また善悪など道徳的に考えて判断する事も「理性」と言います。
「理性的」という場合も、感情の動きに支配されず冷静に考えることや、悪事を働いた方が楽でも、道徳に反する手段を取らないことです。
「理性」の判断は感性による判断と言えます。
感情的にならないのは、感情的になってはいけないという感性から来るものであり、道徳的な判断も、悪いことはいけないという感性によるものです。
このように感性的な善性を元に行動するのが「理性」と言えます。
「知性」と「理性」の違い
それぞれどういった基準で判断するか、どういった特徴を持っているかで、「知性」と「理性」、「知性的」と「理性的」が変わってきます。
豊富な知識を元に物事を判断するのが「知性」で、頭を使う特徴を持っているのが「知性的」です。
対して論理や道徳に従って物事を判断するのが「理性」で、道理や道徳観を重視する特徴を持っているのが「理性的」になります。
知識重視の「知性」と、道理と道徳重視の「理性」と考えると、別物というのがわかりやすいでしょう。
「知性」と「理性」の類語や言い換え
「知性」は英語の「インテリジェンス」が類語、もしくは言い換えとして使われていることも多いです。
他にも「知性」により判断することを「知的」ということもあります。
「理性」による判断は「合理的」と言い換えられることも多いでしょう。
また知識によって良い結果を求め判断することと、道理に沿って論理的に判断することは考え方として近いため、「知性」と「理性」を兼ね備えた事を「理知」や「理知的」といいます。
まとめ
「知性」と「理性」は判断の元となる部分は違いますが、結果として考え方が似てくることも少なからずあるので同一視され、似たようなものと思われがちです。
しかし判断するのに何を基準にしているかという根っこの部分は違うので、それぞれ別ものであることはちゃんと覚えて、言葉を使い分けましょう。