この記事では、「知恵」と「智恵」の違いを分かりやすく説明していきます。
「知恵」とは?
「知恵」とは、物事の筋道を立てて、正しく締めくくりをつける能力。
物事の筋道を見極めて定め、正しく処理をする心の働きという意味があります。
アルミ鍋には、軽い、手入れをしやしい、という特徴があります。
しかし、熱伝導性が高く、アルミは腐食しやすいため、調理に使用をしていると黒ずんできます。
黒ずんだ状態の鍋を使用するのは、気持ちがよいものではありません。
きれいな鍋で調理をした方が、料理の味はよくなりそうです。
しかし、この黒ずみを落とすのは大変です。
タワシでゴシゴシとこすっても落ちないことがあります。
そんなときに役立つものがリンゴの皮です。
リンゴの皮を鍋に入れ、水がひたひたになるくらいまで注ぎ、火にかけて15分ほど沸騰させます。
その後にスポンジなどでこすると汚れがとれます。
すぐに鍋を使用すると、また黒ずんでしまうので、よく乾燥させます。
黒ずみが取れるのは、リンゴの酸によるものです。
今では酸によって汚れが取れると科学的にわかっていますが、これが行われ始めたころは科学技術が今ほど発展しておらず、そうなる仕組みがわかっていなかったことでしょう。
それでも、このような方法が考え出されたのは「知恵」によるものだといえます。
「知恵」の使い方
物事をよく考えて、正しく処理する能力を指して使用します。
よく考えなければならない場面で使用されることが多い言葉です。
「知恵」は人間が持っているものと考えられており、人間に対して使われる言葉です。
猫や犬などの動物も考えることがあるようですが、猫や犬などが正しく判断して処理する能力という意味では、あまり使用しません。
「智恵」とは?
「ちえ」と読めそうですが、このような言葉はありません。
「智」は音読みで「チ」、訓読みで「さとい」「ちえ」と読みます。
「恵」は音読みで「ケイ」「エ」、訓読みで「めぐむ」と読みます。
これを組み合わせて「ちえ」と読めそうなのですが、そうは読まないのです。
「ちえ」と漢字で表記するときには「知恵」または「智慧」とします。
「知恵」の「恵」と、「智慧」の「智」を組み合わせて「智恵」とはしないのです。
そのため、このような言葉はありません。
「智恵」の使い方
「智恵光院通り」という道路の呼び名はありますが、この漢字を使用した「智恵」という言葉はありません。
そのため、この漢字で使用することはないです。
ちなみに「智」という漢字は常用漢字表にない漢字です。
「知恵」と「智恵」の違い
物事を筋道立てて、正しく締めくくる能力という意味の「ちえ」を漢字で表すときには「知恵」と書きます。
「智恵」とはしません。
「ちえ」と読めそうですが、弧のような使い方はしません。
まとめ
どちらの漢字も「ちえ」と読めて、どちらの表記でも正しいように感じますが、正しくは「知恵」です。
「智恵」とはしません。