この記事では、慣用句の「知遇を得る」の意味を分かりやすく説明していきます。
「知遇を得る」とは?意味
「知遇を得る」の読みは「ちぐうをえる」で、「人格や識見が認められ、厚い待遇を受けること」を意味する慣用句です。
「知遇を得る」の概要
「知遇」の熟語は、「知った上で、遇する」と言う意味で、その「知る」は単にその人の表面上のことを知ることではなく、「人格や能力や識見を知る」意味であり、また「遇する」は「厚遇する」意味を指しています。
従って「知遇を得る」の意味は、前項で示した意味となるのです。
「知遇を得る」ことは、先に記した様に表面を繕っても中々得ることはできません。
自分の能力や人格等を深く理解してもらうことで初めて得ることが出来るものです。
その上で評価・処遇を受けるのですから、非常に名誉なことだと言えるでしょう。
この「知遇を得る」に似た言葉に、「知己を得る」と言う慣用句がありますが、両者の意味は全く異なります。
「知己」と言う言葉は、元々は「自分の事を深く理解してくれる友」と言う意味の言葉ですが、現在では単に「知っている人」という意味でも使われている言葉です。
従って「知己を得る」とは「親友が出来るや、知り合いになる」との意味になります。
「知己を得る」は、その深さは別にして、知り合いになることを意味するもので、そこには「知遇を得る」の言葉にある「遇するや、厚遇する」の意味は全く含まれていません。
「知遇を得る」と「知己を得る」を誤用される方が少なくないので、二つの慣用句の意味は、正しく覚えておきたいものです。
「知遇を得る」の言葉の使い方や使われ方
「知遇を得る」の言葉は、以下の例文のように使われます。
・『中途採用で入社した彼の専門能力の高さや、仕事に取り組む姿勢は素晴らしく、すぐに社長の知遇を得ることになりました』
・『彼の油絵は一部の専門家には注目されていますが、まだまだ作品数が少なく、世間の知遇を得るまでには至っていません』
・『大企業では、いかに優れた人材でも、トップの目に留まる機会はなく、中小企業のようにトップの知遇を得ることはほとんどありません』
・『彼は会社の上層部の知遇を得るために、しばしばスタンドプレーを行います。しかし上層部はそんなスタンドプレーに騙される事はありません』
・『多くの学生の中で教授の知遇を得るには、しっかり学び、その上で疑問点を個別質問するのが最良です』
「知遇を得る」の類語や言い換え
「知遇を得る」の言い換えとしては、「待遇を受ける」や「もてなしを受ける」や「一目置かれる」などが挙げられます。
まとめ
「知遇を得る」とは、「人格や識見が認められ、厚い待遇を受けること」を意味する慣用句です。
似た慣用句に「知己を得る」と言う言葉がありますが、こちらは「親友が出来るや、知り合いになる」と言った意味で、全く異なる意味の言葉です。
間違う方が意外と多い言葉なので、しっかりと覚えておきたいものです。