「短編集」と「アンソロジー」の違いとは?分かりやすく解釈

「短編集」と「アンソロジー」の違い違い

この記事では、「短編集」「アンソロジー」の違いを分かりやすく説明していきます。

「短編集」とは?

「短編集」とは、小説や漫画の短編作品を集めて1冊の書籍にまとめたものを指します。

「短編」は、「詩歌・小説・映画などの短い作品」という意味です。

したがって、短編集は、文章作品を集めたものに限られず、漫画や映画を集めたものも含まれています。

似た意味の言葉として「オムニバス」がありますが、これは映画・演劇・文学などで、いくつかの独立した短編を集めた、全体として一つ作品となるように構成したものを指します。

基本的には「短編集」と同じものを指すと考えていいでしょう。


「短編集」の使い方

上述の通り、「短編集」は、作品の形に関係なく、短いものであれば映画や漫画、音楽にも使うことができます。

短編集はかなり広い範囲に使える言葉です。

ちなみに「オムニバス」の使い方についてですが、ヒット曲を集めたアルバムを「オムニバスアルバム」と言います。


「アンソロジー」とは?

「アンソロジー」とは、いろいろな詩人・作家の詩や文をある基準で選び集めた本を意味します。

また、同一詩人や作家の選集を指して使う場合もあります。

「アンソロジー」は英語で、“anthology”と表記されますが、これはギリシア語の“anothos”“legin”から来たものです。

“anothos”は花を指し、“legin”は摘むを表し、この二つを合わせて、もともとは花集めを意味していました。

そこから転じて詞華集(優れた詩や散文を集めたもの)になりました。

世界最古の詞華集は、ガダラのメレアグロスが50人の詩人を集めて作ったものであると言われています。

「アンソロジー」の使い方

「アンソロジー」は、古代ギリシャのものに限られず、世界中にあります。

日本の「アンソロジー」として有名なものは、古今和歌集、万葉集、小倉百人一首などがあります。

中でも、万葉集は日本最古の「アンソロジー」であり、4,500首以上の和歌が収められています。

また、新約聖書も「アンソロジー」として有名なもののひとつです。

漢詩の「アンソロジー」として有名なものは、唐詩選で、漢文の授業で習う杜甫や李白などの詩が入っています。

「アンソロジー」は歴史的に価値のあるものだけでなく、現代でも同人誌や卒業文集が製作されています。

「短編集」と「アンソロジー」の違い

「短編集」は、文章作品だけではなく様々な芸術作品に使うことができる言葉ですが、「アンソロジー」は、基本的に詩などの文章作品に対して使う言葉です。

「アンソロジー」を音楽などを指して使うこともあるようですが、基本的には「アンソロジー」に当たるかどうかは、文章作品かどうかという基準で区別してよいでしょう。

まとめ

「アンソロジー」は詩や文を集めた作品、「短編集」「アンソロジー」のような作品以外にも映画や音楽、漫画などの作品も含む短い芸術作品を集めたものを指す言葉です。

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