マイケル・ジョーダンが1985年に NBAの試合で使用したナイキのエア・ジョーダンが、そのカラーリングがルールに沿っていないことを理由に使用禁止になり、使用し続ける場合は1試合ごとに罰金を払うように言われました。
しかし、ナイキはこれを逆に宣伝に利用しようと考え、罰金を肩代わりすることにしました。
これは、有名な話ですが、ここで使用した「禁止」と「原則禁止」の差は何なのでしょうか。
この記事では、「禁止」と「原則禁止」の違いを分かりやすく説明していきます。
「禁止」とは?
「禁止」とは、文字通り「禁じて止める」ことです。
つまり、何かを「やってはいけない」と制限することになります。
この言葉だけで禁じている場合は、通常、例外条件はありません。
英語では「ban」あるいは「prohibit」です。
SNSのアカウントを停止することも「ban」と言います。
「原則禁止」とは?
「原則禁止」とは、「原則的には禁止」という意味です。
この前提としては、「ある条件を満たせば、禁止ではありません」というものが隠れています。
その条件は簡単なものもほぼ不可能なものもあります。
例えば、校則に、「パーマをかけるのは原則禁止。
天然である場合は保護者の証明書を提出すること」と言うものがある学校は、少なくはありません。
英語では、「generally forbidden」が近い表現でしょう。
「禁止」と「原則禁止」の違い
「禁止」と「原則禁止」の違いを、分かりやすく解説します。
もちろん、両方とも「禁止」であることには変わりありませんが、その強さが違います。
つまり、「原則禁止」の方が「禁止」よりも「禁止」の度合いが緩いというのが違いになります。
実際「原則禁止」の方は、「禁止」と言っておきながら、こういった条件をクリアしたら禁止はしないという基準が設けられているからです。
すなわち、禁止の度合いの強い方から弱い方に並べると、「絶対禁止」、「禁止」、「原則禁止」となります。
「禁止」の例文
「禁止」の例文は以下のようになります。
・『校則で、アルバイトが禁止されています』
・『公共交通機関の中では、携帯電話での通話が禁止されています』
「原則禁止」の例文
「原則禁止」の例文は以下のようになります。
・『病院の事務として、勤務する場合はネールアートは原則禁止です』
・『原則禁止と言われても、条件をチェックすれば禁止されない場合があります』
まとめ
この記事では、「禁止」と「原則禁止」の違いを、解説してきました。
序文でご紹介したマイケル・ジョーダンのエピソードは、「禁止」と言いながら実は「原則禁止」であったという典型的な例です。
条件を設けて例外を許容するという状況は、いろいろな場面で遭遇します。
例えば、「障害者手帳を持つ本人と同行する場合に限り、付き添いひとりが半額になります」という条件の割引制度は、多くの交通機関や博物館などで一般的です。
このような制度は、無闇に禁止する姿勢とは対照的なものです。