学校や病院など我々の生活を支える施設には「私立」と「公立」があります。
受験の時などは特によく目にする2つの言葉ですがなんとなくは知っていても正式な意味について考えたことのない方は少なくありません。
これらは具体的に何を表しているのでしょうか。
今回は、「私立」と「公立」の違いについて解説します。
「私立」とは?
「私立」とは「私人によって設立、運営される組織や施設」という意味の言葉です。
私人とは公でないという意味であり必ずしも個人を指すものではありません。
民間企業や民間の団体などによって設立された施設も「私立」です。
「私立」には「公共ではない」という意味合いが強く含まれます。
利益を第一の目的とせず広く人々の利益を追求する目的で作られる各種施設において公共ではない私人によって作られるものが「私立」に該当します。
必ずしも利潤の追求を目的とはしませんが継続的に活動を続けるために利益が得られるよう運営が行われます。
「私立」の使い方
・第一志望は私立の高校です。
・市役所の近くに私立病院が開業した。
・私立大学全ての店員を合計すると進学希望者のほぼすべてが入学可能な計算になる。
・私立なのだからある程度料金が高くなるのは仕方がない。
「公立」とは?
「公立」とは「地方公共団体によって設立、運営される組織や施設」という意味の言葉です。
「公立」の「公」は「公共」を指しており私人ではなく公共団体によって設立された組織や施設はすべて「公立」に該当します。
本来的な意味としては最も大きな公共である「国」によって作られた組織や団体も「公立」に含まれますが一般的には「国立」と表現され区別されます。
分類として設立母体が私人か公共かを基準にする場合は国立も含めて「公立」と表現します。
「公立」の組織や団体は人々の生活に欠かせないもの、必要とされるものばかりです。
私人では運営が難しいが必要なサービスは公共が提供するというのが近代社会の基本です。
「公立」とは市民の権利として設立、運営される組織や団体であり公共の福祉の一翼を担います。
「公立」の使い方
・公立病院が充実している地域は転入希望者が多い。
・明日から公立高校の受験が始まる。
・公立の施設なので利用料は格安だ。
・予算不足のしわ寄せが公立図書館にまで及んでいる。
「私立」と「公立」の違い
「私立」と「公立」の違いは設立、運営するのが私人か地方公共団体かというのが最大の違いです。
設備やサービス内容に関して具体的な違いはありませんが、運営費用など財政面には大きな違いがあります。
「私立」は補助金などはあるものの基本的に独立採算であり赤字も黒字も全て運営母体の責任となります。
「公立」の運営は税金が主体であり利用料などの聴衆はありますがその収入で運営費用のすべてを賄うことはありません。
多くは赤字ですが地方公共団体として必要なサービスを提供しているので税金によって運営されています。
まとめ
「私立」と「公立」はどちらも普段からよく目にする言葉ですが改めて意味をきちんと考える機会は少なく、正しく意味を理解できていない人もたくさんいます。
それぞれの違いを知り利用する際の参考にしてください。