この記事では、「租税」と「税金」の違いを分かりやすく説明していきます。
「租税」とは?
国(政府)や地方公共団体が、法令の定めに基づいて国民や企業等の主体に負担を義務付ける金銭のことでそのまま税金を指す言葉でもあります。
英訳するとTaxで税金と同じ意味の言葉になります。
言葉としての使われ方は幅広い用途を持つ税金とはかなり異なり、国税庁により、税金の意義や必要性を教える内容の「租税教育」、税金の安い土地に逃れる「租税回避」などの言葉があり、税金そのもののシステムとして指す用途に使うことができます。
ただし口語として租税が高くて困る、租税の支払期限が近いなどと使うことは現在ではありません。
年貢米など、金銭ではない納税方法であれば租税という言葉はもう少し広い範囲で使えると言えるでしょう。
租税公課という言葉は税金と、国や公共団体などに対する交付金や会費などの公的な課金である「公課」を合わせた勘定科目を指します。
なお、租税の租という言葉は647年に制定された租庸調制という年貢などを支払うシステムの「租」と同じ文字です。
「税金」とは?
公共施設や道路、消防や警察、介護などあらゆる公共のためにある施設や団体の運営維持のために国民や企業に負担を義務付けられたお金のことで、税金によって国が成り立っているとも言えます。
「税金は高い」、「安い」という言葉から「税金未払い」「税金の支払い」「税金の還付」など税金の一つ一つの事態に応じて使える言葉となっています。
「税金を上げると支持率が下がる」など税金は政治において動かすのが難しい立ち位置となっており、政治家が支持団体に関わる税金を上げるということはまず不可能と言えるでしょう。
法人税のほうが消費税よりも上がりにくい背景には消費税の税金の取り安さというメリットと、法人税を上げた場合の選挙へのデメリットという観点があります。
「租税」と「税金」の違い
「租税」と「税金」の違いを、分かりやすく解説します。
「租税」と「税金」は意味の同じ言葉でどちらも英訳するとTaxとなります。
言葉としては税金のほうが用途が広く、「税金が上がる」という言葉に対して「租税が上がる」という言葉はほぼ使われていません。
租税という言葉は税の仕組みを教える「租税教育」などと言った使い方があり、実際「税金教育」では税金を安くする方法に受け取られかねない部分があります。
口語で税を指す場合はほとんど税金という言葉を使い、一般的な会話では殆ど使われないのが租税という言葉です。
また、税務会計という言葉や税効果会計という会計用語でも租税という言葉は使われていません。
まとめ
「租税」と「税金」は意味合いは同じなのですが、言葉としての使われる頻度や用途の広さは圧倒的に税金のほうが上となっています。
ただし、金銭としての税ではなく、システムとしての税を教える際などには租税という言葉を使うこともあります。