「篤志家」とは?
「篤志家(とくしか)」とは、「公共的な問題解決に対して篤い志がある人」を意味しています。
特に、「自分の志に基づいて、社会奉仕・慈善事業・公共の福祉増進などを熱心に実行したり支援したりしている人」のことを、「篤志家」と呼んでいます。
「篤志家」の「篤志」という言葉自体に、「社会福祉的な事業や公共の福祉を高める活動などに熱心に協力する意志・心・様子」といった意味合いがあるのです。
「篤志家」というのは、「社会・他者のために役に立ちたいという志を持っていて、それを実行・支援している人」を意味します。
「ボランティア」とは?
「ボランティア“volunteer”」とは、「みんなが幸せに暮らせる社会をつくるため、自分に出来る事を考えて自発的に他者の役に立つ活動をする人」や「社会・他者のために貢献する自発的な奉仕活動・社会事業」を意味しています。
日本では「ボランティア活動の4原則」として、「自主性・自発性」「無償性・無給性」「社会性・連帯性」「創造性・開拓性(先駆性)」が掲げられることが多くなっています。
英語の“volunteer”の原義は「志願兵」であり、「強制されずに自発的・自主的に活動すること」の意味合いが強くなっています。
「篤志家」と「ボランティア」の違い
「篤志家」と「ボランティア」の違いは、「ボランティア」は「自発的に社会・他者に貢献する社会的・福祉的な活動そのもの」を意味していますが、「篤志家」は「社会奉仕・慈善事業・公共の福祉増進などを熱心に実行・支援している人だけ」を意味しているという違いがあります。
「ボランティア」は「自発的な社会奉仕・他者支援の活動とその活動をしている人」の両方を意味しますが、「篤志家」は「篤い社会貢献の志を持って、実際に社会奉仕・慈善事業をしている人」だけを意味しています。
また、「篤志家」には「一定の経済力を持っていて、私財を投じて社会福祉や慈善事業を経済支援している」というパトロンのニュアンスもありますが、「ボランティア」にはそういった「経済力のある人による慈善事業の経済支援」の意味合いはありません。
「献体篤志家」とは?
「献体篤志家」 とは、「医学医療の発展や医療人の教育に貢献したいという自分の志に基づいて、死後に自分の身体(遺体)を大学・医療機関(医学研究機関)に献体する人」を意味しています。
「献体」というのは、「医学生が人体の解剖実習をするなどの実際的な医学教育を目的として、大学医学部・医学研究機関などに人の遺体を提供すること」を意味しています。
「チャリティー」とは?
「チャリティー“charity”」とは、「慈愛・博愛・同胞愛の精神に基づいて実践する社会福祉的な支援事業・公益的活動とその活動を運営する組織・団体」を意味しています。
「チャリティー」の根本にある慈愛や博愛の精神には、主にキリスト教の教義・倫理観の背景があるとされています。
日本における「チャリティー」は、「社会福祉・慈善事業・弱者救済などのために必要な資金を寄付・寄進の形で集めるための活動」を意味することが多くなっています。
特に「チャリティーイベント」と銘打っている場合には、ライブやコンサート、美術品の展示などを行ってその収益金を、社会福祉・公益事業のために寄付する仕組みになっています。
「ボランティア」と「チャリティー」の違い
「ボランティア」と「チャリティー」の違いは、「ボランティア」は「自発的な社会奉仕・他者支援の活動とその活動をしている個人」を意味していますが、「チャリティー」は「慈愛・博愛の精神に基づく公益事業・慈善事業とその活動をしている集団組織」を意味しているという違いがあります。
また、「ボランティア」は「社会・他者のために自分自身が体を動かして貢献する」という意味合いが強くなっていますが、「チャリティー」は「社会福祉・慈善事業で困っている人たちを助けるために寄付金を集める」という意味合いが強くなっています。
「篤志家」と「ボランティア」の英語の違い
「篤志家」と「ボランティア」の英語は、「篤志家」も「ボランティア」と同じく”volunteer”(自発的・自主的な奉仕者)”の英単語で表現されることもあるのですが、「篤い志に基づいて社会福祉・慈善事業を実行して支援する人」である「篤志家」の意味を強調する場合には、違う英単語を用いることができます。
「篤志家」という言葉は、“philanthropist”(慈善事業家・フィランソロピスト)や“supporter”(支援者・サポーター)、“charitable person”(慈善事業家・社会福祉家)、“benevolent person”(善意の人・博愛の人)などの英語で表現することができますが、「ボランティア」は通常“volunteer”のみで表されます。