とても細やかなことを言い表す言葉は、世の中にはたくさんあります。
この記事では、「精密」と「緻密」の違いを分かりやすく説明していきます。
説明のしづらい語彙をスマートに理解していきましょう。
「精密」とは?
精密(せいみつ)とは、とても正確なこと。
とてもよく計算してあることです。
驚くくらい細やかな仕事ぶりや商品に対して、用いる語句です。
「精密」の「精」は、精米したお米をあらわす言葉です。
精米機から出てきたばかりのツヤツヤのお米には、ヌカが付いていません。
そのことから、几帳面さが伝わる完璧な仕事やサマにたいして「精密」と用いるようになりました。
パソコンなどに使われる、とても小さな部品のことを精密機器。
人間ドッグで出た異常値を、さらに細かく調べるのが精密検査。
デリケートで細やかさがもとめられる部品や測定に対しても、精密という言葉が好んで使われています。
「緻密」とは?
緻密とはとても細かいこと。
こちらが感心するくらい、よく配慮されていることです。
おもに人に対して用いますが、細工がこまかい物に対してつかうこともあります。
緻密の「緻」には、無駄がない、手抜かりがないという意味合いもあります。
手抜かりがないというのは、不足が見られたり欠点が見られたり、いわゆる「アラ」が無いこと。
そのため「緻密」もスキが無く、へまが見られない仕事ぶりに使われます。
完璧すぎて欠点を探すのが難しいときの例えです。
文章として用いるときは「緻密に設計されたクルマ」や「緻密な準備でむかえた試合」などがあります。
「緻密な人」というと、しっかりしている人・何をやってもソツなくこなせる人という意味です。
「精密」と「緻密」の違い
どちらも「密」が付いているので、差が分からず頭がこんがらがってしまうこともあります。
「精密」と「緻密」の違いを、分かりやすく解説します。
・機械は「精密」、人は「緻密」
どちらもきめ細やかなものに対して、用いる言葉です。
大ざっぱでぞんざいな様子が見られない時につかいます。
使い分けが難しいこともありますが「精密」が精密機器や精密部品など工業製品に用いられることが多いため、精密はモノ。
緻密はヒトと、ざっくり覚えておくのがおすすめです。
きわめて小さな部品や、細やかな調査に対しては「精密」。
小さなことまで抜かりなく済ませる、完璧な人物に対しては「緻密」。
対象となるモノや人を見極めながら、その場に適した言葉をつかっていきましょう。
まとめ
「精密」と「緻密」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも小さなミスが見当たらない、正確なものや人に対して用いる言葉です。
精密はとても細やかで、小さな造りのこと。
緻密とは注意が行き届いていて、きめが細かい様子や人柄のこと。
精密は電子機器などの部品に用いることが多く、緻密はありさまや態度に対してつかいます。
言葉のボーダーラインを見極めて、正しく日本語に組み込んでいきましょう。