「紺屋の白袴」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「紺屋の白袴」

「紺屋の白袴」という言葉を聞いたことがないという人は多いでしょう。

この言葉は、「こうやのしろばかま」と読みます。

知らない人が聞いたら「荒野の白袴」と勘違いしてしまうこともあるでしょう。

「こうや」「こんや」と、「しろばかま」「しらばかま」と読まれることもあります。

「紺屋の白袴」の意味

「紺屋の白袴」「紺屋」とは、もともとは藍染め屋を指す言葉でしたが、広く染物屋を指す言葉となりました。

「白袴」とは、染められていない白い袴のことで、染物を生業としている人が、自分の袴は染めずに白い袴をはいているということから、「紺屋の白袴」という言葉は、他人のことを構うのに忙し過ぎて、自分のことには手が回らないこと、という意味で使われています。

同様の意味を持つ言葉には、「医者の不養生」「髪結いの乱れ髪」があります。

他人の健康を気遣うことに追われている医者が、自分の健康を気遣う暇がない様や、他人の髪を綺麗に整えることに追われている髪結いが、自分の髪には手を掛ける時間がない様を表しており、これらも、他人のために身を粉にして働き、自分のことには手が回らないことという意味で使われる言葉として知られています。

「紺屋の白袴」の言葉の使い方

「紺屋の白袴」という言葉は、「人のために働いてばかりで、自分のことには気を配っていない」という状況を表す時に使われます。

例えば、食器売り場でテーブルコーディネートのアドバイスをしている人が、自分の家の食卓には無頓着だったり、リラクゼーションサロンで客の肩凝りをほぐしている人が、自分の肩凝りを放置していたりすることを、「紺屋の白袴」に例えるのです。

「自分のことにも気を配ったら?」と相手を心配する場面で使われたり、「自分のことには無頓着なのだね」とネガティブな感情を伴って使われたりします。

「紺屋の白袴」を使った例文・短文(解釈)

「紺屋の白袴」という言葉の意味や使い方を説明してきましたが、ここでは、この言葉を使った例文をご紹介します。

「紺屋の白袴」の例文1

「規則正しい生活をして健康的な毎日を送りましょうと、日頃からテレビでアドバイスをしている友人ですが、当の本人ときたら、不規則な生活を続けている上に、ヘビースモーカで、更には毎晩浴びるようにお酒を飲んでいます。健康的とは程遠い生活をしていて、まさしく紺屋の白袴です」

この文章では、健康的な生活を提唱している人なのに、自分は不健康な生活をしている、ということを表現しています。

「紺屋の白袴」の例文2

「インテリアコーディネーターとして働いているので、紺屋の白袴と言われないように、部屋はいつもきれいにして、お洒落にコーディネートしておくよう心掛けています」

この文章は、インテリアコーディネーターらしく、自分の部屋もきれいでお洒落にしておくよう気を付けている、ということを表しています。

仕事が忙しい時には、部屋のことにまで気が回らなくなるもので、常にインテリアに気を配るというのは、なかなか難しいことなのではないでしょうか。

「紺屋の白袴」の例文3

「行きつけのネイルサロンのスタッフは皆、手もネイルも綺麗にしているので、この店には紺屋の白袴と指摘されるような人は一人もいないようです」

この文章では、ネイルサロンのスタッフは、皆、手や爪の手入れが行き届いている、ということを表現しています。

当然のことのようですが、他人の手や爪のお手入れに追われ、自分のお手入れには手が回らない状況も多々あるでしょう。

疲れている時や時間がない時には、手を抜きたくなるものですが、それをしないということは、プロ意識が高いということなので、客の信頼も厚くなるものです。

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