この記事では、「絡む」と「絡まる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「絡む」とは?
「絡む」は(からむ)と読みます。
この言葉は何か長いものが周囲に巻きついたりくっついたりして、取り除くのが難しい状態を表現します。
「糸が絡む」「コードが絡む」などがその例になります。
また「痰(たん)が絡む」という言い方もあります。
しかしそのほかにも「喧嘩して相手に絡む」や受け身形で「酔っ払いにしつこく絡まれる」など、言いがかりやいちゃもんをつけ、物事に深く関わることも「絡む」を使って表現します。
また「お金が絡む問題」「複雑な事情が絡んでいる」などの使い方もあります。
これはやはり「まとわりついて深く関わる」という状態を意味します。
「絡まる」とは?
「絡まる」は(からまる)と読みます。
この言葉は「絡む」と似たような意味を持ちますが、「絡まる」 の方がより複雑にまとわりついているという状態を意味します。
例えば「蔦の絡まるお屋敷」という表現からは、家の外壁に蔦が複雑に巻きつきながら生えている状態を想像できます。
また「糸が絡まる」という表現からは、糸を解きほぐしたいけれど難しく「面倒だ」「大変だ」というニュアンスが伝わってきます。
同じように「私情が絡まる」「金銭問題が絡まる」のような表現からは、問題が複雑で解決が大変そうだと言うことが伝わってきます。
「絡む」と「絡まる」の違い
「絡む」と「絡まる」の違いを、分かりやすく解説します。
まず文法的な違いを言うと「絡む」はマ行五段活用の動詞、「絡まる」はラ行五段活用の動詞となります。
「絡む」と「絡まる」と言う言葉はどちらも、何かがまとわりつくことや、巻きつくことを表現する言葉でになります。
しかし「絡む」よりも「絡まる」の方が、複雑にまとわりついている、巻きついているのを強調でます。
そして「絡む」は単純に何かがまとわりついているのを示すのに対して、「絡まる」は「自分の意思に反してまとわりついてしまう」「気がついたらまとわりついていた」というような時に使われることが多い言葉です。
「ミシンの下糸が絡む」と「ミシンの下糸が絡まる」のニュアンスの違いは、「絡む」より「絡まる」で表現している方が、「下糸が絡んでしまって思うようにミシンがかけられない、大変だ」というように、何かが絡まることで困っている、または問題にっていることがよりクローズアップされています。
まとめ
「絡む」と「絡まる」は日常的に使用する言葉です。
多くの人は何気なくこの似たような意味を持つふたつの言葉を使い分けています。
しかし「絡む」より「絡まる」の方が、より複雑に巻きついたり、まとわりついていることが表現できます。
このように日本語には、一見同じような言葉に見えても、その使い方でより表現できることが変わります。
できるだけ多くの言葉に触れて、日本語の表現力をアップさせるようにしましょう。