水不足を伝えるニュースで耳にする言葉に「給水制限」と「取水制限」があります。
どちらも渇水対策として行われる制限であることはわかりますが具体的にはどのような意味なのでしょうか。
今回は、「給水制限」と「取水制限」の違いについて解説します。
「給水制限」とは?
「給水制限」とは「浄水場から家庭に送る水の量を減らす制限措置」を指す言葉です。
雨がふらず水不足が発生すると行政は現在蓄えられている水の量だけで必要な量を賄うためにあれこれとやりくりを行います。
家庭や企業に対して節水を呼びかけるなど基本的な大作だけでは水不足に追いつかないときに行われる強制的な水仕様の制限措置が「給水制限」です。
「給水制限」では水源から採取された水を安全に使用できるように浄化する役目を担う浄水場から最終消費地である家庭や企業に送る水の量が減らされます。
「給水制限」は渇水対策としてはかなり思い措置でありかなり逼迫した状況にならないと実施されません。
通常は段階的に行われ10パーセントの制限であればこれまでとほぼ変わらずに水が使え、20%を超えると噴水など不要不急の水利用が難しくなり30%を超えると高台にある家の水道の水が落ちるなど生活や生産活動に顕著な影響が出始めます。
「給水制限」の判断を下すのは各自治体の水道を統括する水道局が行政と話し合った上で決定します。
貯水量や水需要など各地域によって水事情には大きな差があるため一律の基準は設けられておらず水不足の状況に応じて決められます。
「給水制限」の使い方
・今年は雨が少なかったので給水制限も仕方がない。
・給水制限に備えて水の使い方を見直す。
・水を大量に使う工場にとって給水制限は大問題だ。
・給水制限を受けて公園の噴水がとめられた。
「取水制限」とは?
「取水制限」とは「浄水場が川から組み上げる水の量を減らす制限措置」を指す言葉です。
水道用の水を管理する浄水場はダムから放流される川の水を水源にしています。
雨不足などでダムに蓄えられた水の量が少なくなると余裕を持って水を汲み上げることが難しくなるため取水量を必要最小限まで減らす措置がくだされます。
そのようなダムから浄水場への水供給量が制限されることを「取水制限」と呼びます。
「取水制限」の段階では給水量を管理する浄水量の水量が減らされます。
浄水場の水が少なくなっても厳密な管理や備蓄分を放出するなどの対策が取られるため直ちに一般家庭や企業に影響が出ることはありません。
「取水制限」にはニュースを聞いた家庭や企業に節水意識を高めてもらうという思惑もあります。
取水量を減らして調整すると同時に後方としての効果も期待されているため水道局は積極的に情報を発信しています。
「取水制限」の使い方
・水不足で取水制限が実施された。
・取水制限を伝えるニュースを聞く。
・取水制限で水不足が乗りきれることを祈る。
・影響が少ないと言っても取水制限が気になる。
「給水制限」と「取水制限」の違い
「給水制限」と「取水制限」の違いは「制限がかけられる箇所」です。
我々が使用する水は水源であるダムから浄水場で浄化された家庭や企業に送られます。
一連の流れのうち「ダムから浄水場」のところに制限をかけるのが「取水制限」で「浄水場から家庭や企業」のところに制限をかけるのが「給水制限」です。
商売でいうところの卸売を制限するのが「取水制限」で小売を制限するのが「給水制限」に当たります。
まとめ
「給水制限」と「取水制限」は水不足の時には深く関わる重要な用語です。
万が一に備えてそれぞれの意味を正しく理解しておいてください。