「緩やか」と「穏やか」の違いとは?分かりやすく解釈

「緩やか」と「穏やか」の違い違い

この記事では、「緩やか」「穏やか」の違いを分かりやすく説明していきます。

「緩やか」とは?

「緩やか」【ゆるやか】とは、動きや勢いがゆったりしているさま、締め付け具合が弱く、ゆとりのあるさまを指す形容動詞です。

形容詞の「緩い」【ゆるい】は、きつくない、厳しくない、傾斜がなだらか、のんびりしている、規則が寛容、などの意味を持っており「緩やか」も同様の意味合いで使われます。

ちなみに「緩い」は、しまりがない、怠慢、などのネガティブな使われ方もされますが「緩やか」はあまり悪い意味で用いられることがありません。


使い方の一例

「緩やかなカーブを描いている」

「人口の増加が緩やかな地域」

「緩やかな着心地のブラウス」

「水が緩やかに流れる」

「規制が緩やか」

「緩やか」の類義語には「なだらか」「ゆっくりと」などがあります。

また「徐々に」という意味で「穏やか」と言い換えることも可能です。


「穏やか」とは?

「穏やか」【おだやか】は、角が立たず安らかなさま、静かで落ち着いているさまを表す形容動詞。

「穏し」【おだし】という形容動詞から派生した言葉です。

「穏やか」は、主に物事、人の態度、世の中の様子を表すときに用いられます。

ネガティブな意味はなく、静かで安らかなために心地よい、受け入れやすい状態を指して使われています。

逆に「穏やかではない」と否定形にすると、心配な様子、ものしい状況を意味する表現となります。

使い方の一例

「穏やかな風が吹く」

「今日は、静かで穏やかな一日だった」

「穏やかに話し合って意見をまとめる」

「あの人は性格が穏やかで感じがいい」

「近所で空き巣の被害が多発しているなんて穏やかではないな」

「穏やか」の類義語は「穏便」【おんびん】や「温厚」【おんこう】です。

「穏便」は角が立たず平和なさま、「温厚」はやさしく温かい人柄を指しており、互いのニュアンスは少し異なります。

「緩やか」と「穏やか」の違い

「緩やか」「穏やか」の違いを、分かりやすく解説します。

「緩やか」「穏やか」は、きつさや激しさのない、安らかな状況を指しているところが共通しています。

また「緩やか」「穏やか」はニュアンスが近く、類義語として使うことも可能です。

「徐々に」「ゆっくりと」と形容したい時には「緩やか」「穏やか」のどちらを使っても意味が通ります。

両者の違いは「緩やか」が主に物理的なゆとりを表しているのに対し「穏やか」は主に安らかさ、人の態度や人柄を指しているところといえるでしょう。

なお「緩い」「しまりがない」というネガティブな意味も持ちますが「緩やか」「穏やか」が悪い意味で使われることはありません。

まとめ

「緩やか」「穏やか」はどちらも安らかなイメージをがあり、互いによく似ている印象を受ける言葉です。

ただし、それぞれの意味は異なっています。

「緩やか」「穏やか」の意味を理解し場面に応じて使い分ければ、状況の描写がより繊細なものとなるでしょう。

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