この記事では、「罪業妄想」の意味を分かりやすく説明していきます。
「罪業妄想」とは?意味
「罪業妄想」とは、一般的にうつ病における症状のひとつと言われており、「自分が全て悪い」と強く思い込んでしまうという妄想を指します。
ちょっとした事や、自分は全く関係がない出来事であったとしても、「自分は周りの人々に迷惑をかけている」と強く感じ、深刻に罪の意識を抱いてしまいます。
「罪業妄想」の概要
「罪業妄想」とは、「ざいごうもうそう」と読みます。
「罪業」とは、もともと仏教用語からきており、来世で苦しむ原因となるような罪の行いを指す言葉です。
「妄想」とは、現実には起こりえない事を、実際に起こっていると信じ込んでしまう事で、他者から明確な反論があったとしても、「妄想」を持つ人その考えを否定する事ができません。
一般的に、心の病を患っている人がこの「妄想」を抱きやすいと考えられており、様々な種類の「妄想」が存在します。
その中の一つとして、自分が行った事や関係ない事でも自分に全て非があると思い込んでしまう事を「罪業妄想」と呼びます。
責任感が人一倍強かったり、自分自身に厳しい人が陥りやすい傾向があり、自分が行った行為が、間違っていたのではないかという罪の意識を感じる事から始まり、自分が全く関係していない事であっても「悪いのは全て自分だ」と思うようになります。
「罪業妄想」は症状が進んでいくと、自分の存在意義さえ否定するようになり、自傷行為や自死を招くなどの重大な結果となる事も少なくありません。
「罪業妄想」の言葉の使い方や使われ方
「罪業妄想」は、一般的にうつ病を患っている方が症状のひとつとして表れる症状です。
そのため、日常生活や一般的にはなかなか耳にする言葉ではありません。
よく耳にし似た言葉として「被害妄想」が挙げられますが、これも「罪業妄想」と同様にうつ病の症状として使われる言葉です。
「罪業妄想」は、本人は全く悪い事をしていないのにもかかわらず、強い罪の意識を感じ、それを後悔して暗い気持ちになったり、最悪の場合自分は存在する価値のない人間だと思い込む事で、自殺を招いてしまう恐れもある非常に危険な妄想のひとつです。
「罪業妄想」を抱いている人の特徴として、明らかに表情が暗かったり、感情の起伏が激しく急に泣いたり、怒ったり、うつ状態と言えるような症状を見る事ができます。
周りの人は「責任感が強い人」と感じるだけの場合もありますが「罪業妄想」を抱いている人は、その罪の意識を感じるという事について異常とも言える妄想を抱くため、周囲の人も気づきやすいです。
このような症状や妄想を抱いている人に対して「罪業妄想」と使用しますが、症状が悪化する前に、専門病院の診察を受ける事が推奨されます。
「罪業妄想」を使った例文
・『私が過去にうつ病を患っていた時の症状として、ひどい罪業妄想が挙げられる』
・『彼は人一倍責任感が強く、自分に厳しいため、罪業妄想を抱いているような時があって心配だ』
・『罪業妄想が悪化してしまうと、自分の存在価値がないと思い込んでしまう』
まとめ
「罪業妄想」とは、自分の行いについて「全て自分が悪い」、「自分のせいで回りに迷惑をかけている」と言った罪の意識を強く感じる事を指します。
一般的にはうつ病における妄想のひとつとして挙げられ、症状が進むと「自分は価値のない人間」という意識が働き、最悪の場合には自死を招いてしまう恐れもある危険な妄想と言えます。