この記事では、「胸を焼く」の意味を分かりやすく説明していきます。
「胸を焼く」とは?意味
この場合の「胸」は、身体的なものではなく気持ちや心のことです。
また、「焼く」も直接的に火で炙ることではなくじりじりと焼かれるような辛さを表現しています。
つまり、「胸を焼く」の意味は、心の中で悩むことや辛く悲しい気持ちになってしまう様子を表した言葉なのです。
「胸を焼く」の概要
胸を焼かれるような辛さに直面するのは、どのような場面でしょうか。
例えば、片思いです。
顔を見るとドキドキしてしまう片思いの辛さは一言では言い表せません。
そのうちに、寝ても覚めても相手のことを想い、ため息が絶えず、食欲さえも衰えていきます。
相手に恋人ができたという噂を耳にすれば涙を流し、その噂がどうやらデマらしいと聞けば心が晴れてウキウキとスキップしたくなるほど嬉しくなる。
胸を焼く状況下にあるということは、本当にしんどいものなのです。
このような具体例を知ると、「私も胸を焼いたことがあった」と気付く人もいるはずです。
ただし、「胸が焼ける」となると、意味が大きく変わってきます。
なぜなら、「胸が焼ける」とは胃のあたりが熱くなるような感覚になり、気分が悪くなることを意味するからです。
中高年になると「胸焼けがする」感覚を覚えます。
これは暴飲暴食が祟り、具合が悪くなること。
恋に苦しむ状況とは異なり、単に食べ過ぎ飲み過ぎという過ちを犯した結果です。
「胸を焼く」と「胸が焼ける」は似ていても、まったく別の意味になるので気を付けましょう。
「胸を焼く」の言葉の使い方や使われ方
「胸を焼く」は、恋焦がれて切ない気持ちになったり、酷く思い悩んだりしたときに使います。
例文をご紹介しましょう。
『朝から晩まで胸を焼く思いが続いた』
『胸を焼くほどに辛いなら、将来のためにも想いを断つほうが賢明だ』
深く悩んでしまうことの例え、形容する言葉として使われます。
「胸を焼く」の類語や言いかえ
「胸を焼く」の類語には、どのような言葉があるのでしょうか。
「胸を焦がす」「思い悩む」「心を煩う」「思い煩う」「気に病む」「想いを募らせる」「心が痛む」などが挙げられます。
また、恋愛に関して言えば、「恋煩い」も相当します。
また、言いかえに適した言葉を用いると次のようになるので参考にしてください。
前述の例文の場合は、『心を煩うほどに辛いなら~』『気に病むほどに辛いなら~』となります。
まとめ
これまでも小説の中のエピソードや映画のワンシーンのように胸を焼くことがあったかもしれませんが、「私は今まさに胸を焼く思いでいる最中だ」と意識することはありません。
普通は自覚がないままに、いつのまにか胸を焼いているのが当たり前。
切なく苦しい気持ちになることは、歓迎すべきことではありませんが、人生は多少の波乱が付きものです。
胸を焼く時期も喉元過ぎれば、良い思い出へ必ず変わります。