この記事では、「能率」と「効率」の違いを分かりやすく説明していきます。
「能率」とは?
一定の時間内にできる仕事の割合を「能率」と言います。
つまり、仕事のはかどり方が「能率」なのです。
決められた一定の時間内に成し遂げることができる物事の量、力を指す言葉となります。
「能率」は、「コストパフォーマンス」や「作業効率」、「はかどり具合」などと言い換えることができ、英語で「能率」は「Efficiency」と言います。
「能率」の使い方
「能率」は、「能率が上がる」や「能率が悪い」、「能率が落ちる」、「能率が高い」などといった使い方となります。
「効率」とは?
使った労力に対し得ることができた成果の割合を意味する「効率」。
自分自身が費やした労力に対し、どれだけの成果を得ることができたのかを表す言葉で、機械などの仕事量、消費されたエネルギーとの比率を意味します。
「効率」は、「手際よく」、「経済的」、「合理的」などと言い換えることができ、英語で「効率」は「efficiency」と言います。
「効率」の使い方
「効率」は、「効率が上がる」や「効率が悪い」、「効率が落ちる」、「効率が良い」などといった使い方となります。
また、「作業効率」や「熱効率」、「効率化」、「効率的」、「非効率」、「効率アップ」などといった言葉もあります。
「能率」と「効率」の違い
同じ「率」、つまり、割合でも、どの割合なのかといった違いがある「能率」と「効率」。
「能率」は一定の時間内にできる仕事、労力の割合を意味し、「効率」は、使った労力に対し得ることができた成果の割合を意味します。
そのため、「能率アップ」と「効率アップ」とでは、表す内容が異なり、「能率アップ」は、一定の時間内にできる仕事、労力を増やすことで、「効率アップ」は、使った労力に対し得ることができる成果を増やすことを意味する言葉となります。
「能率」の例文
・『社員の仕事の能率が下がったのは、みんなの疲れが溜まっているからだと考えられる』
・『まず、なぜ、勉強の能率が上がらないのか自分自身で考えてみなさい』
・『詰めて作業をするよりも、実際は、適度に休憩を取ったほうが作業能率は上がるものです』
・『これ以上、作業能率が下がらないよう社員の士気を高める』
「効率」の例文
・『社内に新しい機械を入れたことで、効率がよくなり社員の残業もなくなりました』
・『新しいソフトによって、仕事の効率化がアップしました』
・『私は、常に効率の良い投資方法を選び成功し続けています』
・『誰か私に効率性の高いダイエット方法を教えてくれませんか』
まとめ
以上が、「効率」と「能率」の違いです。
それぞれ、何の割合なのか、基準にするものが異なります。
一定の時間に対してなのか。
それとも、費やした労力に対してなのか。
そのことを考え、絶対に「効率」と「能率」を混合して用いないよう注意が必要です。