この記事では、「自粛」と「中止」の違いを分かりやすく説明していきます。
「自粛」とは?
「自粛」とは、自分から進んで遠慮し、行動しないことを意味する言葉です。
「自粛」の使い方
「自粛」という言葉は、何らかの行動を、「自分からやめる」際に使用します。
始まっていない行動や計画をストップする際に用いることの多い言葉です。
「粛」は一字では「つつしむ」や「厳しくする」という意味を持ちます。
「つつしむ」とは「過ちを正す」という意味の言葉なので、「粛」は「厳しく過ちを正す」と解釈できます。
つまり「自粛」とは、「自分から、厳しく過ちを正す」こと、誤っている行動を自分から取らないように気を付ける、という意味合いを持っているのです。
「中止」とは?
「中止」とは、予定していたことや行動しようとしていたことを、途中で止めることを意味する言葉です。
「中止」の使い方
「中止」は、たいへん幅広い場面で使用される言葉です。
進行していた予定や計画について、自分からストップする際にも、第三者の横やりが入ってストップする際にも用いられます。
「途中で止める」という意味合いが大きいため、既に始めていたことを止める場合によく使われます。
「自粛」と「中止」の違い
「自粛」と「中止」は、大きく異なる言葉です。
その意味の違いは、二つに分けられます。
一つ目は、「自分でやめるかどうか」です。
「自粛」は自分で行動を止める場合に用いられるため、他人から止めるように指示された場合には、使うことはありません。
これに対して「中止」は、他人から命令されて計画や行動を止める際にも使うことが出来ます。
もう一つの意味の違いは、ストップする事柄が、始まる前なのか、進行中なのかの違いです。
「自粛」という言葉は一般的に、始まる前の物事に使用します。
対して「中止」は、始まった物事に対して使用します。
ですから、自分からやめる場合でも、すでに進行している出来事に対しては「中止」という表現を使用するのが得策です。
ただし、実行していないが計画途中だった、という物事についてならば「中止」を使用することが出来ます。
「自粛」の例文」
・『昨今の情勢に鑑みて、今年の忘年会は開催を自粛します』
・『毎年の楽しみだったが、旅行は自粛することにした』
・『あのスポーツバーは営業を自粛している』
・『社会的影響が大きいため、発言を自粛する』
「中止」の例文
・『忘年会を計画していたが、昨今の情勢に鑑みて、中止することにした』
・『沖縄旅行が楽しみでホテルも予約したが、友人の体調不良で中止にした』
・『保健所の指導で、飲食店が営業中止になった』
・『中止命令が出たので、今すぐライブハウスから退去してください』
まとめ
「自粛」と「中止」は、どちらも物事をやめるという意味合いの言葉です。
しかし細かな意味合いは異なります。
「自粛」には自分から止めるというニュアンスがあることに対して、「中止」は第三者からストップがかかった場合にも使用できます。
また、「自粛」はもっぱら、始める前の物事に使用しますが、「中止」は開始している物事について使用することのほうが多い言葉でした。