何らかの理由により行っていた行動などを中止することがあります。
それは教師や会社、法律などのルールなどによるものだけでなく、自分で考えた結果として中止をする場合などです。
何かを中止したり慎んだりするという行為はルールや羞恥心や倫理観など他の動物には存在しない概念をもつ我々人間だらこそ発生します。
そんな行動などを止めてしまうことを表現した言葉として『自粛』と『禁止』という言葉があります。
どちらも日ごろの生活で聞く言葉ですので馴染みが深い方も多いと思います。
この記事では「自粛」と「禁止」の違いを分かりやすく説明していきます。
「自粛」とは
これは『自分で進んで行動や態度などを慎んだり止めること』を表した言葉です。
ポイントは『自』という漢字がある通り、『自分から進んで』という部分にありますので注意をしましょう。
たとえば、直接的には関係ないのに同じ学校や企業、グループなので、活動などを中止する場合は誰か他人から強要をされて活動や行動を止めている訳ではありませんので、『自粛』を使います。
「禁止」とは
一方こちらは『行動や行為などを行わせないように命令をすること』というかなり強い言葉です。
命令するとありますとおり、受け手に関係なく強制力が働くという意味があります。
例えば法律や条例などである行為などが禁止されている場合はどの様な場合であってもその法律が適応される範囲であれば『禁止』事項ですのでやってはいけないということになります。
「自粛」と「禁止」の違い
この二つは『自ら慎む』のか『強制力をもつ命令事項』なのかではっきりと分けることが出来ます。
『自粛』については『自粛するようにしてください。』など他人から言われることがありますが、『禁止』との違いはここには強制力は存在せず、あくまでも倫理観や道徳観に則り中止してほしいというお願いベースであるというのがポイントです。
「自粛」の例文
・『ライブ中におけるお写真の撮影はどうか自粛願います。』
・『このパンデミックで外出の自粛ムードが日本中に漂っている。』
・『異物混入が疑われる弊社製品についてはしばらく販売を自粛させて頂きます。』
「禁止」の例文
・『20歳未満の方へは酒・タバコの販売は禁止されております。』
・『当博物館において写真撮影は禁止されておりますのでご了承下さい。』
・『この広場では許可のない営利活動は禁止されておりますので直ちに退去してください。』
まとめ
如何でしたでしょうか。
『禁止』ははっきりと強制力のある言葉ですのでイメージが湧きやすいですが、『自粛』という言葉は『自ら』というところに比重が多くあり、強制力がない言葉の割には第三者から強い口調で『自粛するように』といわれることもある為、ついつい混同してしまうこともあるのではないでしょうか。
この場合はもっぱら『禁止』にほぼ近い意味合いがあるケースも多いのはとても厄介です。
この様に日本語は本来持つ言葉の意味を巧みに使い、遠回しの表現で強い表現から置き換えることもありますので、文脈を十分注意して受けとるようにしましょう。