この記事では、「苦痛」と「苦悩」の違いを分かりやすく説明していきます。
「苦痛」とは?
肉体的、精神的な苦しみや痛みです。
体のことも心のことも指しています。
転んでケガをしたとします。
血がたくさん流れてきて痛いです。
じっとしていても痛みを感じ、我慢できないほどで、涙が出そうになります。
このときの痛みは肉体的なものです。
肉体的な痛みを感じているので「苦痛」といえます。
痛いと思わず顔をしかめてしまうことでしょう。
そのことは「苦痛で顔をしかめる」と表現できます。
心の痛みは、ケガのようにズキズキ、チクチクなどの痛みは感じません。
しかし、つらいことには変わりありません。
このようなつらい心の痛みも「苦痛」といいます。
肉体的なものは、外からみて痛いであろうことがわかりやすいのですが、精神的なものは外から見てもわからないことがあります。
この言葉には、他人が見てわかるという意味は含まれていないので、本人が痛みや苦しみを感じていれば「苦痛」ということができます。
「苦痛」の使い方
痛みや苦しみを感じること指して使用する言葉です。
肉体的、精神的なもの、どちらのことも指しているのですが、肉体的なことについて使われることが多いです。
「苦悩」とは?
どうしたらよいかあれこれ悩むこと、精神的に苦しむことです。
苦しむには、体の痛みという意味や心の痛みという意味がありますが、「苦悩」は心の痛みを指しています。
災害があり、野菜の収穫量が減ったとします。
レストランなど野菜を仕入れている飲食店は、仕入れ量が減ってしまい困ります。
他に仕入れ先はないか、野菜を使わないメニューを考えられないだろうか、売り上げはどうなるだろうかなど、いろいろなことで悩み苦しむことでしょう。
これは、肉体的なことではなく精神的な苦しみです。
仕入れ先が見つからず悩んでいる場合は「仕入れに苦悩する」と表現できます。
「苦悩」の使い方
精神的に苦しみ悩むという意味で使用をします。
どうしていいかわからない状態で使われることが多いです。
「苦痛」と「苦悩」の違い
2つの言葉には、苦しむという意味が含まれています。
違いは、肉体的なことなのか、精神的なことなのかという点です。
前者の言葉は、肉体的なものも精神的なものも指しています。
困難といった意味合いがあります。
後者の言葉は精神的なものです。
困難といった意味合いではなく、悩む、苦しむといった意味合いになります。
「苦痛」の例文
・『苦痛で顔をゆがめる』
・『人と会話をするのは苦痛だ』
・『テスト勉強が苦痛』
・『苦痛に耐える』
「苦悩」の例文
・『さまざまな苦悩があったのでしょう』
・『苦悩を乗り越える』
・『苦悩がうかがえる』
・『これまでの苦悩を明らかにした』
まとめ
苦しむという意味を持つ2つの言葉ですが、肉体的なことなのか、精神的なことなのかという点と、困難という意味合いなのか、悩むという意味合いなのかという点に違いがあります。