この記事では、「落ちこぼれ」と「劣等生」の違いを分かりやすく説明していきます。
「落ちこぼれ」とは?
「落ちこぼれ」とは、主に学校や組織についていけない人を指す言葉です。
また、入れ物からこぼれて落ちた物を指します。
「落ちこぼれ」は「落ちてこぼれる」とあるように、入れ物に入りきらずこぼれ落ちた穀物などを指す言葉です。
その規格に入りきらない、はみ出てしまう様子から、製品や人に対し「等級外」「余り物」「脱落者」という意味で使われることが一般的になりました。
特に、学校の授業についていけない生徒、素行が悪く不良と呼ばれるような青少年を指して使うことの多い言葉です。
また、会社など組織の体制についていけない人、社会の枠組みから外れるような生き方をする人も「落ちこぼれ」と呼ばれることがあります。
教育現場では、勉強について行けず落第や中退をしてしまう「落ちこぼれ」を防ぐことが課題とされてきました。
しかし、成績が優秀ならばよいということでもありません。
能力が高過ぎるゆえ学校で浮いてしまう生徒もいます。
このような生徒は「浮きこぼれ」と呼ばれ、対義語の「落ちこぼれ」と共に問題となっています。
「劣等生」とは?
「劣等生」【れっとうせい】とは、成績など学校の評価が標準よりもずっと低い生徒のことです。
「劣等」とは、等級が品質や能力が水準よりもかなり下回っているという意味です。
「劣等生」の「劣等」は、主に学業の成績を対象とした評価であり、「劣等生」は成績が特に芳しくない学生を指す言葉となっています。
また学業の成績以外で、素行を含めた評価がかなり低い生徒を「劣等生」と呼ぶ場合もあります。
「劣等生」は、学生以外の人に対しても比喩的に使われる言葉です。
たとえば、社会全体あるいは組織の中で実績が低く、その様子が目立っているような人は「劣等生」と呼ばれることもあります。
「劣等生」の対義語は「優等生」【ゆうとうせい】です。
「優等生」は学業の成績が優秀な生徒のことですが、時に「まじめ過ぎて面白みに欠ける人」という意味で使われることがあります。
とはいえ「優等生」は基本的にほめ言葉です。
「劣等生」はネガティブな意味の「劣」を含み、良い意味で使われることはほとんどありません。
そのため、他人に対して使う際は、その人の気持ちを傷つけないよう注意が必要です。
「落ちこぼれ」と「劣等生」の違い
「落ちこぼれ」と「劣等生」の違いを、分かりやすく解説します。
「落ちこぼれ」は、ある組織や枠組みの中で体制についていけず脱落してしまうことです。
主に、学校の授業についていけない生徒を指して使われます。
「劣等生」は、学校でかなり低い成績しか取れない生徒、会社で業績の良くない社員を指す言葉です。
どちらも、主に学生の成績や素行を評価している表現で、学業や学校生活があまり円滑ではないネガティブなイメージの言葉となっています。
このように、互いの意味はよく似ていますが、ニュアンスは少し異なります。
「落ちこぼれ」はついていけず、いよいよ脱落してしまう状態を指しますが「劣等生」は成績が水準よりずっと低いものの脱落に至らない状況も含まれています。
まとめ
「落ちこぼれ」と「劣等生」は、学校の授業にあまりついていけない生徒を指し、同じような意味合いで使われることが多いです。
実際には微妙にニュアンスが違うので、意味を確かめたうえで適切な使い方をしていくことが大切です。