「蔑ろにする」とは?意味や使い方を解説

意味と使い方

「蔑ろにする」について

「蔑ろにする」「ないがしろにする」と読みます。

とても難しい読み方で、一般的に平仮名表記されることが多いのですが、覚えておくと小説などがスムーズに読める様になるでしょう。

「蔑ろにする」の意味とは

「蔑ろにする」の意味と語源について紹介します。

「蔑ろにする」の意味

「蔑ろにする」の意味は「ものごとをまるでない様に軽んじたり冷たくあしらうこと」です。

本来は大切にするべき人やものごとなのですが、まるでそれがないかの様に侮ったりいい加減に扱うことを言います。

ものだけではなく人に対しても使われ、見下した態度を取ったり無視したりする時の表現です。

例えば子供にとって親は大切にするべき存在なのですが、毎日暮らしていると有難さを忘れてしまい「うるさい」と思ったり口もききたくないと思う様になることもあります。

子供ことを第一に考えてくれる両親を軽んじることを「蔑ろにする」と言うのです。

「蔑ろにする」の語源

「蔑ろにする」「蔑ろ+に(助詞)+する」で成り立っています。

「蔑ろ」は元々「無きが代」と表記されていました。

「代」「代わりになる」という意味で「身代金」などに使われる漢字です。

「無きが代」「代わりにする必要がない」という意味になり、そこから「必要のないもの」となり、ものごとをまるでないかの様に軽んじることを意味する様になりました。

「蔑」という漢字は意味が似ているので後から使われる様になったものです。

「蔑ろにする」の言葉の使い方

「蔑ろにする」は、そのまま文章の末尾として使う他、「蔑ろにすると罰が当たる」等の様に結果を表す言葉につなげて使えます。

動詞ですので過去形は「蔑ろにした」、現在進行形は「蔑ろにしている」など、その時の時制に合わせて使えます。

但し、本来は重視するものごとを「まるでないかの様に冷たくあしらうこと」ですので、良い意味ではありません。

自分が誰かに行為を受けた時に「蔑ろにされている」「蔑ろにされた」言うと、相手にそのつもりはなくても悪口になってしまうので注意しましょう。

「蔑ろにする」を使った例文

「蔑ろにする」を使った例文と解釈を紹介します。

「蔑ろにする」の例文1

「彼は周囲からの忠告を蔑ろにして結局ミスをした」

周囲の人が一生懸命忠告をしてくれたのに、聞く耳を持たずに自己流で仕事をして、結局ミスをしてしまいました。

他の人から見れば自業自得で仕方のないことだという意味が伝わります。

「蔑ろにする」の例文2

「彼はゴミ出しルールを蔑ろにして町内会からクレームを付けられた」

p ゴミを出す曜日や出し方が決まっているのに従わず、町内会の人達から怒られてしまったことを表しています。

ご近所のトラブルには早目に対処するべきでしょう。

「蔑ろにする」の例文3

「車のメンテナンスを蔑ろにしていたら旅行先で故障してお金がかかってしまった」

車のメンテナンスはお金も時間もかかるので、もう少し経ってからと思っていたら旅行先で思わぬ故障に見舞われてしまい、返って修理費用がかかってしまったことを表しています。

「蔑ろにする」の英語と解釈

「蔑ろにする」には実に多くの英訳があり、その時の状況や使う人により違います。

「look down on」

“look down on”「(人を)見下す」という意味があります。

“He looked down on his boss”「彼は上司を蔑ろにした」となります。

「make light of」

“make light of”「(仕事などものごとを)軽んじる」という意味があります。

“She makes light of her task”「彼女は仕事を蔑ろにしている」となります。

「ignore」

“ignore”「無視する」という意味です。

“He ignores their advice”「彼は周囲のアドバイスを蔑ろにしている」となります。

「蔑ろにする」の類語や類義表現

「蔑ろにする」の類語は以下の通りです。

「おろそかにする」

「ものごとに真面目に取り組まず、軽んじたりいい加減に済ませたりすること」で、人に対しては使いません。

「なおざりにする」

「手を抜いたり、いい加減にしたままの状態にすること」で、こちらも人に対してではなくものごとに対して使う言葉です。

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