光があれば影があるのが世の常ですが、物事の反対側を指す言葉として「裏面」と「背面」というふたつの言葉があります。
このふたつはどちらも同じような意味で使われることが多いのですがどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「裏面」と「背面」の違いについて解説します。
「裏面」とは?
「裏面」とは「モノの裏側の面」を指す言葉です。
一般に「裏面」とはチラシの裏など物理的に表面と反対にあるものを指します。
「ひっくり返すと表になる面」が裏面でありひっくり返す行為をさして「裏返す」と表現します。
実際には裏返せいないものも多いですが位置関係、形状としての表裏で裏面は定義されます。
モノの裏側という本来の意味から転じて「外からは見えない内部事情、裏話」という意味でも使われます。
政界の裏面、といえばテレビや新聞では報じられない水面下での活動や密約など政治家としてオープンにされることのない活動を意味します。
正しい読みは「りめん」です。
「うらめん」は本来正しい読み方ではなく慣用的に使われているだけです。
「裏面」の使い方
・テスト容姿の裏面にも問題があることに残り5分で気がついた。
・詳しい内容は裏面に記載されています。
・裏面にのりを塗って貼り付ける。
・ツルツルしているのが表面で、ザラザラしている方が裏面だ。
「背面」とは?
「背面」とは「モノの後ろ側の面」を指す言葉です。
「背面」は擬人的な表現です。
対称となるものを人に例えたとき後ろ側が背中に当たることから「背面」と表現します。
「背面」における後ろ側とは前後の関係における対象物の位置関係で定義されます。
正面から見たときに見えるのが「前面」で影になってみることができない後ろ側が「背面」です。
一般的には前後が決まっているもの、例えば洋服などに使われることが多くその場合はモノ自体の前後関係でどちらが「背面」であるのかが決まります。
モノの後ろ側という意味から転じて「事件などの背景となる物語や真実」という意味でも使われます。
「背面」の使い方
・このシャツは背面にロゴがプリントされている。
・敵軍の背面をつく奇襲作戦が成功する。
・石碑の背面には由来が刻まれている。
・光源が背面にあるのでシルエットしか見えない。
「裏面」と「背面」の違い
「裏面」と「背面」の違いは「表裏か前後か」で区別されます。
シャツを例にすると「裏面」は生地をめくると見える肌に触れる側のことを指します。
裏返しにシャツを着たときに間違って表になってしまう側が「裏面」です。
シャツの「背面」が指すのは背中側の部分です。
物体としての前後関係を意味するのが「背面」であり、前後逆に来たときに腹側に来る部分が「背面」に当たります。
そのままの状態では見ることができない隠れた面が「裏面」で、今の位置からは見えないが隠されてはおらず回り込めば見ることができるのが「背面」です。
まとめ
「裏面」と「背面」は非常によく似た言葉で細かい意味を理解するのは簡単ではありませんが、本質的には非常にシンプルな言葉であり理屈よりも実例を参考にしたほうが理解がはかどります。
正しい意味を知って使わないと誤解を招きやすい表現なのできちんと理解しておきましょう。