「要件」と「条件」の違いをご存知でしょうか?
この記事では、「要件」と「条件」の違いを分かりやすく説明していきます。
「要件」とは?
「要件」は「ようけん」と読みます。
「要」という漢字には、「もっとも大切な部分」という意味があります。
「件」は「前に述べたこと」「いつものこと」となります。
この2つの漢字から構成される「要件」は「肝要な事柄や必要な条件」のことです。
「肝要な事柄」とは「大切な用事」を表します。
「要件」は複合語として「対抗要件」「構成要件」「訴訟要件」といった使いかたをします。
また慣用表現として「要件をまとめる」「要件を満たす」「要件を欠く」「要件を書き込む」「要件が整う」というように用いられます。
後述する「条件」とは類語の関係にあります。
「条件」とは?
「条件」は「じょうけん」と読みます。
「条」の字には、「すじ」「みちすじ」「くだり」「一つ一つ書き分けた文」などの意味があります。
そして「件」は前述したとおり、「前に述べたこと」「いつものこと」です。
「条」と「件」で構成される「条件」は、約束事や契約などの箇条、項目を意味します。
また物事について限定したり制約したりする事柄のことや、物事が実現するのに必要な事柄という意味もあります。
「限定」や「制約」とは活動を制限することです。
つまり「条件」とは約束をする際に、その内容に対して「活動の自由を制限すること」です。
複合語として「気象条件」「労働条件」「必要条件」「条件反射」といった使いかたや、慣用表現として「条件付きで」「条件がいい」「条件に従う」「条件を整える」のような使いかたをします。
「要件」と「条件」の違い
物事が実現するのに必要な事柄という意味では、「要件」も「条件」も同じです。
その中でも「条件」とは約束事や契約などの箇条や項目であり、そして約束事や契約などを締結する際に「活動の自由を制限」することです。
「条件」の中の一部分に「要件」は含まれ、「とくにはずす事が出来ない大切な部分」が「要件」です。
つまり多くの条件のうち「絶対にはずせない大切な部分」「最も重要な部分」が「要件」となります。
「要件」の例文
・『形式上の要件はこれだけです』
・『新しい要件がでてくるとどうなるのでしょう』
・『要件は早急に済ませます』
・『緊急の要件のようです』
「条件」の例文
・『私はある条件付きで彼の提案を支持した』
・『値引き交渉に必要な条件を教えてください』
・『彼らはその条件を満たす事が出来なかった』
・『彼女の条件が結婚相手を選ぶ際の優先事項だ』
まとめ
以上が「要件」と「条件」の違いになります。
約束事や契約などを締結する際に「活動の自由を制限」する事が「条件」、数多くある「条件」の中でも「絶対に欠くことのできない大切な部分」が「要件」という事がわかりました。