この記事では、「観点」と「切り口」の違いを分かりやすく説明していきます。
「観点」とは?
「観点」【かんてん】とは、物事を考える時の立場、見方を表す言葉です。
漢字の「観」にはものを見る、考えるという意味が、「点」には特定の位置、部分という意味があります。
この「観」と「点」が組み合わされることで「物事を見たり考えたりする時に必要とされる場所」を表す言葉となります。
言い換えると、物事を考えたり見たりする時の根拠となる立場、つまり「観点」は判断基準、ものの見方を指す言葉になるのです。
一般には、ポイントをしぼったものの見方ではなく、「○○学」「○○性」のような抽象的なものの見方を「観点」と呼ぶことが多くなっています。
「観点」の類義語には「見解」【けんかい】や「視点」【してん】などがあり、共通して「ものをみる立場」という意味を含んでいます。
「観点」の例文
・『安全性の観点から、その方法はおすすめできない』
・『テスト観点をまとめる』
・『心理学の観点から社会の抱える問題を分析する』
「切り口」とは?
「切り口」【きりくち】は、物を切った時にできる断面、あるいは、物事を判断・分析する時にものの見方や発想の仕方を指す言葉です。
「切り口」は、切った口、つまり何かを切った時にできる先端を指し、一般には切られた物の切断面や傷口、切れ目などを意味します。
また、物理的にできた断面意外に、物事を分析・判断するための判断基準を意味する時にも使われます。
切り口を作ることは「切り開くこと」です。
そのため、どちらかというと、問題を打開するような発想、角度を変えたものの見方や手法が「切り口」と呼ばれています。
「切り口」の類義語には「目のつけどころ」や「着眼点」【ちゃくがんてん】、「方策」【ほうさく】や「打開策」【だかいさく】などがあります。
「切り口の例文」
・『切り口を変え、別の方法を試みる』
・『新しい切り口で考案したユニークなアイデア』
・『様々な切り口で戦略を考えていく』
「観点」と「切り口」の違い
「観点」と「切り口」の違いを、分かりやすく解説します。
「観点」と「切り口」はどちらも、物事を見たり考えたりする時の判断・分析の基準になるものの見方を意味する言葉です。
両者はとてもよく似た意味合いを持つので、どちらを使っても文章が成立することが少なくありません。
ただ、「観点」は広い視野におけるものの見方や立場を指すのに対し「切り口」は今までと角度を変えたものの見方や手法、打開する方法を指すところが異なります。
「観点」はどちらかというと抽象的なものの見方になりますが「新しい観点」と表現した場合には「切り口」に近いニュアンスも生まれます。
まとめ
「観点」と「切り口」は互いに意味が重複し、よく似たニュアンスを持つ言葉です。
「観点」と「切り口」の使い分けは少し難しいのですが、的確に選び分ければより切れ味のよい文章を作成することができるでしょう。